ホームページのリニューアル時期|作り直す判断基準と費用の考え方
会社のホームページを公開した日のことを思い出してください。あの週がいちばん丁寧に見直されています。料金も、営業時間も、載せた写真も、その日はすべて正しかったはずです。ところがホームページのリニューアル時期を考えるうえで最初に押さえておきたいのは、サイトの中身は公開したその日から自動では変わらないという一点です。動いているのは会社のほうだけで、ページは止まったまま同じ内容を配り続けます。
1年が過ぎると、料金表と担当者名が実態からずれ始めます。3年が過ぎると、事業の説明そのものが今の仕事と合わなくなり、同じころに動かしている土台(サーバーやCMS)のサポート終了の知らせが届きます。5年が過ぎると、見る人の端末が入れ替わって表示が崩れ、更新を頼んでいた相手とも連絡が取れなくなっている。ここまで来て、はじめて「そろそろ作り直したほうがいいのだろうか」と考え始めるのが、よくある流れです。
この記事は、その問いを感覚から事実に移し替えるために書きました。「デザインが古い気がする」は判断材料になりません。古く感じるかどうかは人によって違いますし、見た目を新しくしても、ずれている情報は直りません。代わりに使うのは、自分で今日確かめられる5つの事実です。そして、当てはまったからといって全部を作り直す必要もありません。原稿の差し替えで終わる場合から、構成ごと作り直す場合まで、段階は4つに分かれます。
この記事が答える3つの問い
- 作り直す時期か?——年数ではなく、5つの事実で判定します。1つも当てはまらなければ、今ではありません。
- どこまで作り直すか?——原稿だけ/壊れた所だけ/見た目まで/構成から、の4段階で選びます。
- 何に費用がかかるか?——制作費だけでなく、移行の手間と公開後の運用まで含めて見ます。
サイトは公開日で時計が止まる|5年で何がずれるか
リニューアルを考えるとき最初に確かめたいのは、「いつ作りましたか」ではなく「その後、何が変わりましたか」です。というのも、古くなる場所は1か所ではなく、性質の違う3つの層に分かれて別々の速さで進むからです。
1つ目は載っている情報です。料金、営業時間、対応エリア、担当者、取り扱っている商品。これは会社が動けば動くほど早くずれます。2つ目は見る人の環境。閲覧に使う端末も、画面の大きさも、通信の速さも数年で入れ替わります。3つ目は動かす土台で、サーバー、CMS、プログラムの実行環境などです。ここは普段まったく目に見えませんが、サポート終了という形で期限がやってきます。
この3層は、家にたとえると分かりやすくなります。情報は「部屋に置いてある物」、環境は「そこに住む人の暮らし方」、土台は「配管や電気の配線」です。物は毎年入れ替わり、暮らし方は数年で変わり、配管は10年単位で更新の時期が来る。全部を同じタイミングで見直そうとするから、話が大きくなって動けなくなります。
「何年で作り直す」という基準は、どこにも書かれていない
3年説も5年説もよく聞きますが、行政や検索エンジンの公式資料に「◯年で作り直すこと」と書かれた基準は見当たりません(2026年8月7日時点で確認できた範囲)。年数がよく語られるのは、上の3層のずれがちょうどその頃に重なりやすいからで、年数そのものが根拠になっているわけではありません。
言い換えると、3年経っていても全部そろっている会社は作り直さなくていいし、1年でも事業が変わったなら作り直す理由があるということです。たとえるなら、車検が年数で来るのに対して、タイヤは溝を見て替えるのに近い判断です。年数はきっかけ、判断は状態で行います。
「古い気がする」を捨てて、事実で判定する5つ
ここからが本題です。次の5つは、専門知識がなくても今日中に自分で確認できます。ノートを1枚用意して、当てはまるものに印をつけてください。
① 載っている情報が、現状と違う
確かめ方は単純で、料金・営業時間・電話番号・担当者・取扱内容・所在地を上から順に読み合わせるだけです。1つでも古ければ該当します。これは見た目の問題ではなく、来た人に誤った案内をしている状態なので、優先度はいちばん高くなります。ここだけが該当するなら、リニューアルは不要です。原稿の差し替えで終わります。
② スマートフォンで崩れる
自分の携帯電話で、トップページだけでなく会社概要・サービス・問い合わせの4ページを開いてみてください。文字を読むために拡大しないといけない、横にはみ出す、押したいボタンが指で押せない。どれかがあれば該当します。
この確認を最優先に置く理由は、見る人の側がとうに移っているからです。総務省の令和7年版 情報通信白書には、2024年の端末別のインターネット利用率(個人)はスマートフォンが74.4%、パソコンが46.8%で、スマートフォンがパソコンを27.6ポイント上回ったと示されています(出典は総務省「通信利用動向調査」)。検索する側の主戦場が携帯電話に移っている以上、パソコンで整って見えることの意味は小さくなっています。
検索エンジン側の扱いも同じ方向です。Google検索セントラルのモバイルファースト インデックスの解説には、インデックス登録とランキングではスマートフォンでクロールしたモバイル版のコンテンツを使う、と明記されています。あわせて、モバイル版のページを用意することは検索結果に表示させるための要件ではないが非常に強く推奨される、とも書かれています(2026年8月7日確認)。審査員が携帯電話の画面を見ていると考えると、どちらを整えるべきかは迷いません。
③ アドレスがhttpのまま(SSL未対応)
ブラウザのアドレス欄を見てください。httpsで始まっていれば問題ありません。httpのままなら該当します。通信が暗号化されていない状態で、問い合わせフォームに氏名や電話番号を入れてもらうのは、封をしていない葉書のようなものです。
検索面でも触れられています。Googleは2014年8月の「ランキング シグナルとしての HTTPS」という記事で、HTTPSをランキングの要素として使い始めたことを公表しています(同時に、その重みは軽いものだとも説明されています)。順位を狙うためというより、訪問者に警告が出ない状態にするための項目だと考えるのが実務的です。ここは多くの場合、サイト全体を作り直さなくてもサーバー側の設定で対応できます。
④ 更新する手段が失われた
管理画面のアドレスとログイン情報が手元にあり、実際に入って1文字直して保存できるか。試してみてください。入れない、または誰も方法を知らないなら該当します。これは情報のズレより深い問題で、放っておくと②も③も直せなくなります。
土台の期限も同じ場所にあります。世界で広く使われているCMSであるWordPressの公式の動作要件では、PHP 8.3以上、MariaDB 10.11以上またはMySQL 8.0以上が推奨され、HTTPSは「すべてのインストールに必須」と書かれています。さらに、PHP 7.4以上やMySQL 5.5.5以上でも動作はするが、それらは公式サポートが終了しておりサイトをセキュリティ上の脆弱性にさらす可能性があるとも明記されています(2026年8月7日確認)。
運用側の注意も出ています。IPA(情報処理推進機構)の「安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条」では、ウェブアプリケーションを構成しているソフトウェアの脆弱性対策を定期的に行っているか、不要になったページやウェブサイトを公開したままにしていないか、という点が確認項目として挙げられています。更新できない状態は、放置と同じ結果を生みます。
⑤ 事業の内容そのものが変わった
主力の商品・サービス、対象にしているお客さま、力を入れている地域。この3つのどれかが作った当時と変わっていれば該当します。ページを直すというより、何をどの順で見せるかという設計から変わるため、後述する段階のなかでは最も大きな作業になります。
全部作り直す前に、選べる4つの段階
リニューアルをめぐって起こりやすい誤解は、リニューアルを「やるか、やらないか」の二択だと思い込んでいることです。実際には間に段階があります。症状に合った段階を選べば、費用も期間もかなり変わります。
段階0|原稿を差し替えるだけ
該当するのは①だけの場合です。料金表、営業時間、担当者名、実績のページ。文章と数字を書き換えるだけで、デザインも構成もそのまま使います。管理画面に入れるなら自社でもできますし、頼んでも作業量は限られます。ここで済むケースは珍しくありません。
段階1|壊れている所だけ直す
②や③が該当する場合です。スマートフォンでの表示、SSLの導入、問い合わせフォームの不具合、表示の速さ。全体のデザインには手を触れず、機能として成立していない部分を修理します。雨漏りしている屋根だけ直して、内装はそのままにしておく工事に相当します。
段階2|中身を残して、見た目を作り直す
文章・写真・ページ構成は今のものを引き継ぎ、デザインと表示の仕組みを新しくします。伝えたい内容は変わっていないが、見せ方が今の会社に合っていない、というときの選択です。段階3との違いは、「何を載せるか」の議論をやり直さない点にあります。そのぶん打ち合わせの回数が減ります。
段階3|構成から作り直す(全面リニューアル)
④や⑤が該当する場合、あるいは②〜⑤が複数重なっている場合です。ページの並び、載せる内容、更新の仕組み、土台まで含めて設計し直します。時間も費用もいちばんかかりますが、④が該当している状態を段階1で切り抜けようとすると、直せないまま同じ場所に戻ってきます。
段階を選ぶときに一つだけ注意点があります。段階2で止めても、④が残っていれば数年後にまた同じ相談に戻ります。見た目を新しくしても、更新する手段が用意されていなければ、公開日でまた時計が止まるからです。管理画面(CMS)が要るかどうかの判断は、ホームページにWordPressは必要かを扱った記事で、誰が・何を・何回更新するかという物差しにまとめています。
アドレスが変わるリニューアルだけは、別の作業になる
ここは技術の話に見えますが、経営判断に直結するので簡単に触れます。作り直しにはアドレス(URL)が変わらない場合と、変わる場合があり、Googleは両者を別の手順として案内しています。
変わらないのは、たとえば同じアドレスのまま中身を入れ替える場合や、サーバーだけを引っ越す場合です。Google検索セントラルのウェブホスティングの変更に関する解説では、移転の少なくとも1週間前にDNSのTTL(設定が切り替わるまでの待ち時間)を下げておくこと、旧サーバーへのアクセスがゼロになってから停止することが案内されています。移転直後にクロール頻度が一時的に下がるのは通常の動作だとも書かれています(2026年8月7日確認)。
変わるのは、ドメインを変える場合や、ページの並びを組み替えてアドレスの形が変わる場合です。Google検索セントラルのURLの変更を伴うサイト移転の解説には、301などのサーバーサイドの恒久的なリダイレクトを使うこと、リダイレクトの連鎖は5個未満(できれば3個以下)に抑えること、リダイレクトはできるだけ長く(一般的には1年以上)保持することが書かれています。あわせて、移転中は検索でのコンテンツ掲載順位が一時的に変動することがあるが、これは通常のことでランキングは時間の経過とともに安定すること、小規模から中規模のサイトで大半のページの移転が反映されるのには数週間かかることも説明されています。
Search Consoleのアドレス変更ツールのヘルプでは、サイトを移転してリダイレクトを設定した後にツールを使うこと、少なくとも180日間はリダイレクトを維持すること(180日を過ぎるとGoogleは旧サイトと新サイトの関係を認識しなくなること)が案内されています。いわば転居届と同じで、旧住所の郵便転送を切ってしまえば手紙は届かなくなります。
| 作り直しの型 | 起きること | 必要になる作業 | 依頼時に確認する言葉 |
|---|---|---|---|
| アドレスは変わらない | 中身だけ入れ替わる | 公開直後の表示確認/メールが止まらないかの確認 | 「URLは今のまま維持されますか」 |
| サーバーだけ変わる | 置き場所が移る | 事前のTTL調整/新旧のアクセス監視/旧サーバーの停止時期 | 「メールは何日止まりますか」 |
| アドレスが変わる | 旧ページの評価を引き継ぐ作業が要る | 301リダイレクトの一覧作成/サイトマップ更新/アドレス変更の通知 | 「旧URLの転送は何年維持しますか」 |
見積書に「リダイレクト設定」の項目があるかどうかで、相手の慣れはかなり分かります。サーバーを移す作業そのものの手順は、ドメインそのまま・メールを止めないサーバー移転ガイドに三分岐のフローチャートとしてまとめてあります。
費用の考え方|「いくら」より「何に払うか」
金額の目安を先に知りたくなるのは自然ですが、リニューアルの見積もりは同じ「一式」でも中身がまるで違うため、額だけを並べても比較になりません。相場そのものは初期費用型と月額型を5年総額で比べた費用相場の記事に譲り、ここでは費用が3つの層に分かれるという構造だけをお伝えします。
1つ目は制作費(1回だけ)。設計、デザイン、原稿の作成、組み立て、公開作業です。2つ目は運用費(毎月・毎年)。サーバー、ドメイン、SSL、CMSやプラグインの更新、軽微な修正、障害時の対応。3つ目が見落とされやすい移行費(1回だけ・作り直しのときにしか発生しない)です。今のサイトから原稿と写真を取り出す、ドメインとサーバーの名義を整理する、メールを止めずに切り替える、旧アドレスからの転送を用意する。新築の見積もりには入っているが、引っ越し代は別勘定という状態によく似ています。
見積もりを比べるときに、そろえておく3つの前提
複数の見積もりを取るなら、次の3つを同じ条件にしてから依頼してください。そろっていない見積もりを並べるのは、単位の違う定規のようなものです。
- ページ数と原稿を誰が書くか——原稿を自社で用意するのか、取材して書いてもらうのかで作業量が変わります。
- 今のサイトから何を引き継ぐか——写真、文章、ドメイン、メール、問い合わせの記録。引き継ぐ範囲が移行費を決めます。
- 公開後の更新を誰がやるか——自社で更新するなら管理画面の使い方説明が要りますし、任せるなら運用費に入ります。
なお、いまのドメインやデータが誰の名義になっているかは、作り直しの前に必ず確認してください。名義が制作した側になっていると、移行の段取りが変わります。この整理は解約後のデータとドメインの所有権を7つに分解した記事に台帳の形でまとめています。
今は作り直さなくていい会社
この記事はリニューアルを勧めるために書いたものではありません。判定表の5項目に1つも当てはまらないなら、今は作り直さないほうが合理的です。情報が正しく、携帯電話で読めて、httpsで、自分たちで更新できて、事業の説明が今の会社と合っている。この状態で見た目だけを新しくしても、問い合わせが増える理由にはなりにくいためです。
そのぶん、別のことに時間を使えます。営業時間や料金といった事実を保つ更新と、実績や事例を足していく更新。この2つを月に15分ずつでも続けるほうが効きます。手順は更新されないホームページの実害と月15分の保守手順に整理しました。
症状が違う3つのケース
「リニューアルしたい」という言葉の中には、実は別の問題が混ざっていることがあります。よくあるのは次の3つです。
ケース1|業者に不満がある。連絡が返ってこない、直してほしいところが直らない。この場合に必要なのは作り直しではなく、頼む相手を変えることかもしれません。サイトはそのまま引き継げる場合もあります。手順は連絡が取れない・不満がある時の乗り換え手順にまとめています。
ケース2|表示が重い、たまに落ちる。これは中身ではなく置き場所の問題であることが多く、サーバーの移転で解決する場合があります。デザインを作り直しても速くはなりません。
ケース3|検索で見つからない、問い合わせが来ない。作り直しで解決することもありますが、原因が別の場所にあることも同じくらいあります。順序としては、原因を特定してから手段を選ぶほうが確実です。作り直しは手段の一つであって、原因ではありません。
進め方|3か月の工程と、発注前に決める3つ
段階2以上のリニューアルを進める場合、当社では準備1か月・制作1〜2か月・公開後1か月を目安にご案内しています(ページ数や原稿の状態で前後します)。この配分で大事なのは、最初の1か月が「作る期間」ではなく「決める期間」だという点です。
遅れる原因のほとんどは、制作側の作業ではなく素材待ちです。写真がない、原稿が集まらない、載せる料金が決まらない。準備の1か月をここに充てておくと、後半が詰まりません。料理でいえば、火をつける前に材料を切って並べておく段取りに相当します。
発注前に決めておく3つ
この3つを決めてから声をかけると、見積もりの精度が上がり、後で揉めにくくなります。
- 目的を1文で書く——「求人の応募を月2件受けられる状態にする」のように、誰に何をしてほしいかまで書きます。「かっこよくしたい」では判断の基準になりません。
- 公開後に更新する人の名前を挙げる——名前が出ないなら、更新を任せる前提で費用を組みます。名前が出るなら、その人が操作できる仕組みを選びます。
- 今のサイトから何を持ち出すかを一覧にする——原稿、写真、ドメイン、メール、問い合わせの記録、アクセスの記録。この一覧が移行費の中身になります。
自社で作るか外に頼むかを迷っている段階なら、経営者の時給で考える自作と外注の損益分岐点も合わせて読むと、時間の見積もりがしやすくなります。
私たちの見解|作り直す前に「何を残すか」を決める
日々ホームページを作り、運用している立場からの見解を3つ書きます。
1つ目は、リニューアルの成否は公開日ではなく、その3か月後に決まるということ。公開の瞬間は誰でも整っています。差が出るのは、更新する人が決まっているか、その人が操作できる仕組みになっているかです。判定表の④(更新手段が失われた)を最重要に置いているのはこのためで、ここを解いていないリニューアルは、新しい公開日で時計を巻き戻しただけになります。
2つ目は、「全部作り直す」は選択肢の1つにすぎないということ。ご相談の内容が原稿の差し替えだけで解決するものなら、そうお伝えします。作り直したほうが結果が出る場面は確かにありますが、それは症状が段階2や段階3にあるときです。症状を見ずに一番大きい工事を勧めるのは、こちらの都合になります。
3つ目は、作り直しを決める前に「何を残すか」を書き出しておくと、判断が驚くほど軽くなるということ。残すものが決まっていれば、新しくする範囲は自動的に決まります。逆に、残すものが決まっていない状態で見た目の話から入ると、打ち合わせが長引き、費用も膨らみます。イメージとしては、引っ越しで持っていく物を先に決めてから部屋を探すのに近い進め方です。
当社では月額制のホームページ制作を提供していますが、リニューアルのご相談でも順番は変わりません。まず判定表の5項目を一緒に確認し、段階0で終わるならそうお伝えします。料金の考え方は料金ページに公開しています。無料相談でご用意いただきたいのは見積書ではなく、いまのサイトのアドレスと、直近1年で変わった情報のリストの2つだけです。
まとめ
- 年数は基準にならない:「◯年で作り直す」と書かれた公的な基準は、2026年8月7日時点で確認できた範囲では見当たりません
- 判定は5つの事実で:情報が現状と違う/スマホで崩れる/アドレスがhttp/更新手段が失われた/事業内容が変わった
- スマホ表示の根拠:2024年の端末別のインターネット利用率(個人)はスマートフォン74.4%、パソコン46.8%(総務省「通信利用動向調査」)。Googleもモバイル版のコンテンツでインデックス登録とランキングを行うと明記しています
- 段階は4つ:原稿の差し替え/壊れた所の修理/見た目の作り直し/構成からの作り直し。症状に合う段階を選びます
- アドレスが変わるなら別作業:301などの恒久リダイレクトを用意し、Googleの案内では一般的に1年以上、Search Consoleのアドレス変更ツールでは少なくとも180日間の維持が示されています
- 費用は3層:制作費(1回)・運用費(毎月)・移行費(作り直しのときだけ)。3つ目が見積もりの差になります
- 当てはまらないなら今ではない:見た目の理由だけで作り直すより、月15分の保守を続けるほうが効きます
リニューアルは、古くなったから行うものではなく、いまの会社とサイトが食い違っているから行うものです。食い違いは5つの事実で測れます。測ってから、直す範囲を決めてください。順番がこの通りなら、必要以上に大きな工事にはなりません。
よくある質問
Q1. ホームページは何年でリニューアルすべきですか?
「何年で作り直す」と決めている公的な基準は見当たりません。年数はきっかけとして使えますが、判断そのものは事実で行うほうが確実です。この記事では、載っている情報が現状と違う、スマートフォンで崩れる、アドレスがhttpのまま、更新する手段が失われた、事業内容が変わった、という5つを自分で確認する方法をとっています。どれにも当てはまらないなら、見た目が少し古く感じても作り直す必要はありません。逆に1つでも当てはまるなら、年数に関係なくその項目だけは手当てしたほうがよい、という順番になります。よく「3年」「5年」と言われるのは、その期間に情報のズレ・見る人の環境の変化・動かす土台のサポート終了が重なりやすいからで、年数そのものに意味があるわけではありません。
Q2. リニューアルすると検索順位は下がりますか?
アドレス(URL)が変わらないリニューアルと、URLが変わるリニューアルでは扱いが違います。Google検索セントラルの「URLの変更を伴うサイト移転」には、移転中は検索でのコンテンツ掲載順位が一時的に変動することがあり、これは通常のことでサイトのランキングは時間の経過とともに安定する、と書かれています。あわせて、小規模から中規模のサイトで大半のページの移転が反映されるのには数週間かかるとも説明されています(2026年8月7日確認)。下がったまま戻らない事故の多くは、順位の性質ではなく、旧アドレスから新アドレスへの恒久的な転送を用意しなかったことが原因です。URLを変えない作り直しであれば、この論点自体が発生しません。
Q3. 全部作り直さずに、一部だけ直すことはできますか?
できます。この記事では4つの段階に分けています。段階0は原稿を差し替えるだけ(料金・営業時間・担当者)。段階1は壊れている所の修理(スマートフォン表示、SSL、問い合わせフォーム)。段階2は中身を残して見た目を作り直す。段階3は構成から作り直す全面リニューアルです。症状と段階が合っていないと費用が無駄になります。情報がずれているだけなら段階0で終わりますし、逆に管理画面に入れず更新する手段が失われているなら、見た目だけを直しても同じ状態に戻ります。まず自分がどの段階にいるかを決めてから見積もりを取ると、比べる対象がそろいます。
Q4. リニューアルの見積もりを取るとき、何を伝えればいいですか?
3つを先に決めて伝えると、見積もりの精度が上がります。1つ目は目的を1文にすること。2つ目は公開後に更新する人の名前を挙げること。3つ目は今のサイトから何を持ち出すか(原稿・写真・ドメイン・メール・問い合わせの記録)を一覧にすることです。とくに3つ目は移行の作業量を左右します。加えて、いまのドメインとサーバーの契約が誰の名義になっているかを確認しておくと、作業に入ってから止まる事態を避けられます。名義や引き継ぎの整理は、いまの業者とは別のところに頼む場合にとくに効いてきます。
参照元・出典
本記事の調査日は2026年8月7日です。数値・手順は同日に各公式ドキュメントで確認しました。制度や仕様は更新されるため、実際の判断時には最新版をご確認ください。
一次資料(行政・公的機関)
- 令和7年版 情報通信白書「インターネット」(総務省)——2024年の端末別のインターネット利用率(個人)はスマートフォン74.4%、パソコン46.8%(出典は総務省「通信利用動向調査」)
- 安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条(IPA 情報処理推進機構)——ソフトウェアの脆弱性対策を定期的に行うこと、不要になったページやサイトを公開したままにしないこと
一次資料(公式ドキュメント)
- モバイルファースト インデックスに関するおすすめの方法(Google 検索セントラル)——モバイル版のコンテンツでインデックス登録とランキングを行うこと
- URL の変更を伴うサイト移転(Google 検索セントラル)——恒久的なリダイレクト、一般的に1年以上の維持、一時的な順位変動、反映までの期間
- ウェブ ホスティングの変更と SEO(Google 検索セントラル)——事前のTTL調整、新旧サーバーの監視、クロール頻度の一時的な低下
- アドレス変更ツール(Search Console ヘルプ)——リダイレクト設定後に使うこと、少なくとも180日間の維持
- ランキング シグナルとしての HTTPS(Google 検索セントラル ブログ・2014年8月)
- Requirements(WordPress.org 公式)——PHP 8.3以上の推奨、HTTPSは全インストールで必須、サポート終了版の継続利用に伴う脆弱性の注意
作成・検証の方法
本記事の判定表と4段階の区分は、当社がホームページ制作・保守の相談を受ける際に用いている確認手順を公開したものです。数値と公式手順は上記の一次資料で裏づけ、相場や効果に関する断定は行っていません。同業のホームページ制作会社・作成サービスの社名やURLは記載していません。