ホームページから問い合わせが来ない理由|アクセス・導線・受け皿の3段階で直す
「アクセスはあるのに問い合わせが来ない」。ホームページで起こりやすい詰まり方です。そして多くの場合、原因は1つではなく、まったく別の3つの問題が同じ顔をして並んでいます。この記事では、よくある詰まりをもとに作った架空の相談文から始めて、原因を3段階に切り分ける手順と、費用をかけずに今日から確かめられる点検方法を整理します。
架空の相談文(実在の会社の事例ではありません)
はじめてご連絡します。昨年、ホームページを新しく作りました。デザインは気に入っていますし、社員にも評判は悪くありません。ただ、公開してから半年たっても、問い合わせフォームからの連絡が1件もありません。
知り合いには「SEO対策をしないとダメだ」、別の人からは「広告を出さないと今は無理」と言われました。何かを申し込む前に、自分のホームページのどこがいけないのかを知りたいのですが、専門用語が多くて、何から手を付ければいいのか分かりません。
お金をかける前に、自分で確かめられることがあれば教えてください。
この相談には、実は答えが3通りある可能性があります。まったく見られていないのか、見られてはいるが次に何をすればいいか伝わっていないのか、送ろうとした人がいたのに届いていないのか。原因も直し方も費用も違うのに、同じ「0件」という結果にしか見えないのです。
順番も大切です。多くの方が「まずSEO」「まず広告」と考えますが、これはいちばん高い工事から始めている状態です。この記事では、費用がかからず今日できることから順に並べ直します。
この記事の結論を先に3行で
① 問い合わせは「アクセス→導線→受け皿」の3つの関門を全部通って初めて届きます。どこで止まっているかを先に決めないと、打つ手が空振りします。
② いちばん安く直るのは受け皿(フォームと通知メール)で、しかも壊れていたときの損失がいちばん大きい。だから最初に点検します。
③ 点検は「自分のフォームから自分で送ってみる」だけです。会社のWi-Fiを切り、スマートフォンから、返信が相手の受信箱に届くまでを確かめます。所要15分ほどです。
「問い合わせが来ない」は、3つの別問題が同じ顔をしている
ホームページから1件の問い合わせが届くまでに、相手は3つの関門を通っています。①あなたのサイトにたどり着く(アクセス)、②次に何をすればいいかが分かる(導線)、③実際に送る手段が動いている(受け皿)。この3つがつながって、初めて1件になります。
逆に言えば、どれか1つでも切れていれば結果は0件です。そして0件という結果からは、どこが切れているのかが分からない。停電したときに、ブレーカーなのか配線なのか電球なのかが、暗い部屋では区別できないのと同じです。
「アクセスを増やす」から始めると、なぜ空振りしやすいのか
最初に提案されるのは、たいてい段階1(アクセス)の対策です。SEO、広告、SNS。どれも段階1を太くする手段で、費用も時間もかかります。
ところが、段階2や段階3が詰まっている状態で段階1だけを太くすると、増えた分がそのまま漏れていきます。たとえるなら、底に穴の空いたバケツに、より太いホースで水を入れるようなものです。水道代は増えますが、たまる量はあまり変わりません。
しかも段階2と段階3は、段階1に比べて費用がかからないのが普通です。文章を書き直す、ボタンの位置を変える、通知の宛先を直す。自分でできることも少なくありません。安くて効きやすいところを先に、高くて時間のかかるところを後に。順番はそれだけです。
3段階のどれから疑うかは、状況で決まる
いきなり3つ全部を点検するのは大変です。実務では公開からの期間で当たりをつけます。公開して半年未満なら段階1が主犯のことが多く、以前は来ていたのに減ったのなら、段階2か段階3の可能性が上がります。動いていたものが止まったのなら、どこかが壊れたか、周りが変わったかのどちらかだからです。
更新が止まったまま数年たっているサイトなら、営業時間や料金が古いまま残っている、担当者が退職しているといった別の実害も同時に起きています。こちらは更新されないホームページの実害と月15分の保守手順に整理しています。
段階1|そもそも見られているか(アクセス)
最初に決めるのは、人が来ているのかどうかです。ここが分からないまま議論すると、全員が想像で話すことになります。
数字を見る前に、無料でできる2つの確認
分析ツールを入れていなくても、確かめられることはあります。1つ目は会社名での検索。正式名称で検索して、自社サイトが1番目に出てくるかを見ます。看板が道路から見えているかどうかの確認のようなものです。ここで出てこないなら、知っている人ですらたどり着けていない状態です。
2つ目はサイト名を指定した検索です。検索窓に「site:」に続けて自社のドメイン(例:site:example.co.jp)と入力すると、そのサイトの中でGoogleに登録されているページが出ます。数件しか出ない、あるいは0件なら、検索結果に載る材料が足りていません。ただしこれは目安で、正確な登録ページ数を示すものではないとGoogleも説明しています。診断でいえば体温計のようなもので、異常の有無は分かっても原因までは分かりません。
Search Consoleで見るのは「2つの数字」だけ
もう一歩進めるなら、Google Search Consoleという無料の管理ツールを使います。専門的に見える画面ですが、最初に見るのは2つだけで十分です。
Googleの公式ヘルプでは、表示回数を「Google でサイトへのリンクが閲覧された頻度」、クリック数を「Google からサイトへのリンクがクリックされた頻度」と説明しています。言い換えれば、表示回数は「検索結果に自社が並んだ回数」、クリック数は「そこから実際に入ってきた回数」です。
この2つで、「見られていない」が2種類に分かれます。表示回数そのものが少ないなら、検索結果に並ぶ材料(ページや言葉)が足りていません。表示回数はあるのにクリックが少ないなら、並んではいるが選ばれていない、つまりタイトルや説明文が読み手の関心とずれています。前者は棚に商品が並んでいない状態、後者はパッケージが目に留まらない状態です。
「どのくらいあれば十分か」に一律の答えはない
ここで気になるのが「月に何アクセスあれば問い合わせが来るのか」です。正直に言えば、一律の数字は出せません。相談が目前に迫っている人が打ち込む言葉と、何となく調べている人が打ち込む言葉では、同じ1回の訪問でも重みがまったく違うからです。
代わりに勧めているのは、会社名での訪問と会社名以外での訪問を分けて見ることです。会社名でしか来ていないなら、来ているのは既にあなたを知っている人だけで、新しい出会いは起きていません。必要なのは順位対策より、まだ知らない人が使う言葉でページを1枚増やすことだったりします。
段階2|次にやることが示されているか(導線)
見られていることが分かったら次は導線です。問いは1つ、「読んだ人が、次に何をすればいいか分かるか」です。
判断はスマートフォンの画面で起きている
総務省の令和7年通信利用動向調査(調査時点は令和7年8月末、2026年5月29日公表)によると、個人がインターネットを使う機器はスマートフォンが74.3%で、パソコンの45.6%を大きく上回ります。個人のインターネット利用率は全体で85.7%です。
「うちのお客さんは年配だからスマートフォンでは見ない」という見方もあります。ですが同じ調査では、40代でスマートフォンからインターネットを使う人が91.4%、50代が89.2%、60代でも80.9%です。世帯のスマートフォン保有割合は91.8%で、テレビの90.1%を上回りました。取引先の社長も、自分のスマートフォンであなたの会社を調べています。
Googleも、検索の評価はスマートフォン版のページを基準に行う仕組みに移行済みだと公式に説明しています。パソコンでどれだけ整って見えても、判断されているのは小さな画面のほうです。
導線が切れる4つの典型
1つ目は、次の行動が書いていない。会社の説明は丁寧なのに、最後まで読んでも「では、どうすればいいのか」がないページがあります。読み終わったところで話が終わるので、相手はそっと閉じます。
2つ目は、問い合わせ先が奥にある。メニューを開き、階層をたどって、ようやくフォームに着く。スマートフォンでは操作が増えるほど離れます。問い合わせは、いわば店のレジです。奥まった場所にあるレジは、探してまで並んでもらえません。
3つ目は、何を書けばいいか分からない。「お問い合わせはこちら」だけでは、相手は何を伝えればいいのか判断できません。「見積もりが欲しい」「まず費用感だけ知りたい」「今のサイトを見てほしい」のように、用件の見本を並べるだけで送信の負担は下がります。白紙の便箋と、記入例のある申込書。手が動く速さは違います。言い換えると、書きやすさそのものが導線の一部です。
4つ目は、判断材料が足りない。費用の見当がまったく付かないと、問い合わせは「値段を聞くための勇気」を必要とする行為になります。金額そのものを載せられない事業でも、考え方や範囲を書くことはできます。当社も料金の考え方を公開していますが、これは営業のためというより、聞く前に見当が付くようにするためです。相場そのものを整理したい場合はホームページ制作の費用相場を5年総額で比べる記事も参考になります。
1画面に置く「次の一手」は1つに絞る
導線を直すとき、つい全部を並べたくなります。問い合わせ、資料請求、電話、LINE、メールマガジン。ところが選択肢が増えるほど、人は選ばずに離れます。1つの画面に、いちばんしてほしい行動を1つ。他の手段はその下に小さく置けば十分です。
なお、地域で探されるお店や事業所では、検索結果に出る店舗情報(Googleビジネスプロフィール)が入口になり、そこから電話が鳴っている例もあります。サイトの問い合わせが0件でも、別の経路で連絡が来ていないか、電話の記録を確認してみてください。
段階3|受け皿は本当に動いているか
送ろうとした人がいたのに、届いていない。3段階の中で最も見落とされ、そして最も安く直るのがこの問題です。
受け皿が壊れる4つのパターン
①フォームが動いていない。サーバーの設定変更、プラグインの更新、SSL証明書の入れ替え。この後にフォームが送信できなくなる例があります。作った当日は動いたので、誰も疑いません。
②通知メールが届いていない。送信は成功しているのに、担当者のところに通知が来ていない。宛先が退職者のアドレスのまま、というのは珍しくありません。
③通知が迷惑メールに振り分けられている。受信箱には見当たらないが、迷惑メールフォルダには入っている。しかもフォルダは一定期間で自動的に空になるのが一般的で、証拠ごと消えていきます。
④こちらの返信が相手に届いていない。いちばん痛いのがこれです。相手は送った、こちらも返した、なのに相手の受信箱には入っていない。相手からは「返事をくれない会社」に見えます。
④が起きる背景には、迷惑メール対策の厳格化があります。Googleは「メール送信者のガイドライン」で、Gmail宛に送るすべての送信者に対し、送信元ドメインへのSPFまたはDKIMというメール認証の設定、送信元ドメインまたはIPの正引き・逆引きDNSレコードの整備、TLS接続の使用などを求めています。迷惑メール率はPostmaster Toolsで0.10%未満に保ち、0.30%以上にならないようにという基準も示されています。1日5,000件以上を送る場合は、SPFとDKIMの両方に加えてDMARCの設定などが追加されます。
専門用語が並びましたが、意味はシンプルです。メールにも「差出人が本物であることの証明書」が必要になったということ。メールの世界の本人確認のようなもの、と考えると分かりやすいはずです。証明書のない郵便物が受付で止められるように、設定が整っていないメールは相手に届かないことがあります。自社ドメインのメールを使っているなら、この設定はサーバー会社の管理画面で確認できることが多く、分からなければ管理を任せている会社に「SPFとDKIMは設定されていますか」と聞くだけで話が通じます。
フォームには「何に使うか」を書いてあるか
もう1つ、受け皿には手続き上の要件があります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、本人から直接、書面(ウェブ上の入力画面を含みます)で個人情報を取得する場合、あらかじめ本人に利用目的を明示することが求められると説明しています。
実務上は、フォームの近くにプライバシーポリシーへのリンクを置き、「いただいた情報はお問い合わせへの回答にのみ使用します」といった一文を添える形が一般的です。これは法令上の話であると同時に、送る側の安心にも直結します。名前と電話番号を入力する画面で、それがどう使われるか何も書かれていなければ、手が止まる人はいます。
15分でできる「自分から自分へ」送信テスト
ここからが実践です。受け皿が動いているかは、議論しても分かりません。自分で送ってみるのが唯一の確認方法です。大切なのは、社内の環境で試さないこと。会社のWi-Fi、社内のパソコン、いつものブラウザという条件は、実際のお客さまの条件とは違います。外から来た人と同じ条件で試して初めて意味があります。
各ステップで見るポイント
1と2では、送信するアドレスに普段使っていないものを使ってください。会社のアドレスから送ると、社内のメール設定に助けられて「届いたように見える」ことがあります。本文は「テスト送信です」と書き、名前・電話番号・本文を実際の相談と同じ長さで入力します。短すぎると、文字数の上限や記号の扱いといった不具合が表に出ません。
3では、送信後にきちんと完了画面が出るかを見ます。押しても何も起きない、エラーが出る、真っ白になる。いずれも実害があります。その画面に次の案内があるかも見てください。「2営業日以内にご返信します」の一文で、待つ側の不安はかなり減ります。
4が本題です。通知メールを、受信箱と迷惑メールフォルダの両方で確認します。複数人で受けているなら全員分を見ます。1人にしか届いていないと、その人が休んだ日の問い合わせは止まります。
5では、届いた通知の中身を送った内容と突き合わせます。改行が消えている、記号が文字化けしている、電話番号の項目が抜けている。送信は成功しているだけに気づきにくいずれです。
6が、多くの会社で抜けている手順です。届いた問い合わせに実際に返信して、送信に使ったアドレス側の受信箱に入るかを確かめます。ここで迷惑メールに入るなら、あなたの返信は今まさに、お客さまにも届いていない可能性があります。
7は記録です。日付、使った回線とアドレス、どこで止まったか。紙1枚で構いません。次に同じことが起きたとき、前回どこまで正常だったかが分かるだけで、原因探しは大きく短くなります。
当社では、サイトを納品する前にこの手順を工程に入れています。制作した本人ではない者が、外の回線から、別のアドレスで送り、返信まで確かめる。手間は15分ほどですが、ここを飛ばすと「公開したのに1件も来ない半年」が生まれ得るためです。制作会社を選ぶ段階なら、契約書だけに現れる危険サインと確認ポイントと合わせて、「納品前に送信テストをしますか」と聞いてみてください。
症状から、詰まっている段階を見分ける
ここまでの3段階を、症状から逆に引けるようにまとめます。まずは見られているかと問い合わせがあるかの2軸で、大づかみに位置を確かめてください。
もう少し細かい症状からも引けるように、代表的なものを表にしました。「まず確かめること」は、どれも費用をかけずにできる範囲に絞っています。
| 症状 | 疑う段階 | まず確かめること | 費用の見当 |
|---|---|---|---|
| 会社名で検索しても自社が出ない | 段階1 | site:検索で登録ページがあるか | 0円で確認可 |
| 表示回数はあるがクリックが少ない | 段階1 | 検索結果に出るタイトルと説明文 | 0円〜小修正 |
| 見られてはいるが問い合わせが0 | 段階3が先 | 自分から自分への送信テスト | 0円で確認可 |
| スマホで文字が小さく崩れて見える | 段階2 | 自分の電話で最初の1画面を見る | 要相談 |
| 電話番号を押しても発信できない | 段階2 | 番号がリンクになっているか | 小修正 |
| 送ったのに返事がないと言われた | 段階3 | 通知の宛先とメール認証の設定 | 0円〜設定作業 |
| 以前は来ていたのに急に止まった | 段階3 | 直近の更新・設定変更の履歴 | 0円で確認可 |
1つだけ強調しておきたいのが3行目です。「見られてはいるが問い合わせが0」のとき、多くの人は段階2(導線)から直そうとしますが、先に段階3(受け皿)を確かめてください。導線の改善はデザインの判断が入り、正解が見えにくい作業です。一方、受け皿は動くか動かないかの二択で、15分で白黒がつきます。
手を打つ順番|0円でできることから
ここまでの内容を、実行の順番に並べ替えます。上から順にやれば、無駄な出費はほとんど出ません。
今日(0円)——自分から自分への送信テストを1回。通知の宛先を現役の担当者に直す。迷惑メールフォルダを見る。ここまでは誰の許可も要りません。
今週(ほぼ0円)——スマートフォンで自社サイトを開き、最初の1画面に「何の会社か」「誰向けか」「問い合わせ先」が入っているかを見る。入っていなければ順番を入れ替える。電話番号を押せる形にする。フォームの前に用件の見本を3つ並べる。多くは文章の修正なので、更新権限があれば自分でも直せます。自分でやるか任せるかに迷っているなら、経営者の時給で考える自作と外注の損益分岐点が判断材料になります。
来月から(費用が発生しうる)——ここで初めて、見られる量を増やす話に進みます。お客さまが実際に使う言葉でページを1枚ずつ増やす、地域と業種で探されている言葉を拾う、必要なら広告を試す。この段階では受け皿と導線が整っているので、増やした分がきちんと残ります。
自社だけで進めるのが難しい場合は、月額制のホームページ制作のように、作った後の更新と点検が契約に含まれている形を選ぶ方法もあります。どの形でも確認したいのは「動き続けているかを見る人がいるか」の1点です。
私たちの見解|増やす前に、止める
ここからは、実際にサイトを作り、運用している立場からの見解を3つ書きます。
1つ目は、問い合わせの数を増やす前に、漏れを止めるほうが割に合うということ。集客の話は華やかで、提案も受けやすい領域です。一方、通知メールの宛先が古いまま、といった話は誰も提案してくれません。売り物にならないからです。しかし実際に確認すると、この地味な側にこそ原因が残っていることがあります。穴を塞ぐのは、水を増やすより先です。
2つ目は、「問い合わせが来ない」という言葉を、そのまま受け取らないほうがいいということ。電話は鳴っているのにフォームだけ0件、というケースは珍しくありません。この場合、問題は経路を数えていないことのほうにあります。まずどの経路から何件来たかを1か月だけ数える。それだけで、対策すべき場所が変わることがあります。
3つ目は、直すべきは文章であって、デザインではないことが多いということ。典型は、何をしている会社かが1行で分からない、誰向けかが書いていない、次に何をすればいいか示されていない、という文章側の問題です。作り直す前に、書き直す。費用も時間も、桁が違います。
自社のサイトがどの段階で止まっているのか、判断がつかないときは無料相談で一緒に見させてください。ご用意いただきたいのは、サイトのURLと、直近3か月に問い合わせ・電話・紹介がそれぞれ何件あったかの概算だけです。この2つがあれば、どこを先に触るべきかはその場で整理できます。
まとめ
- 3段階に分ける:問い合わせは「アクセス→導線→受け皿」を全部通って届きます。0件という結果からは、どこが切れているか分かりません
- 順番は逆から:安く直る受け皿から点検し、次に導線、最後に見られる量を増やします。逆順だと、増やした分がそのまま漏れます
- 受け皿の点検は15分:会社のWi-Fiを切り、携帯回線で、普段使わないアドレスから送信。通知と迷惑メールフォルダ、返信が相手に届くかまで確かめます
- 判断はスマートフォンで起きている:総務省の令和7年通信利用動向調査では、個人のインターネット利用機器はスマートフォンが74.3%、パソコンが45.6%。40代は91.4%、50代は89.2%です
- 返信が届かない問題は増えている:Googleはメール送信者のガイドラインで、すべての送信者にSPFまたはDKIMの設定などを求めています。整っていないと、こちらの返信が届かないことがあります
- フォームには利用目的を:入力画面で個人情報を取得する場合は、あらかじめ利用目的を明示することが求められると個人情報保護委員会のガイドラインは説明しています
問い合わせが来ない状態は、たいてい原因が1つではありません。ただ、切り分けの順番さえ決めておけば、今日できることと来月まわしでいいことがはっきり分かれます。最初の一歩は、費用も許可も要らない15分の送信テストです。
よくある質問
Q1. ホームページから問い合わせが来ないのは、SEO対策が足りないからですか?
SEOが足りない場合もありますが、それは3つある原因のうちの1つにすぎません。問い合わせが届くまでには、見られる(アクセス)、次の行動が示されている(導線)、送る手段が動いている(受け皿)という3つの関門があります。SEOが効くのは1つ目だけで、2つ目と3つ目が詰まったまま見られる量だけを増やしても、増えた人がそのまま素通りしていきます。順番としては、まず受け皿が動いているかを確かめ、次に導線を整え、最後に見られる量を増やすのが安全です。特に受け皿の不具合は、直すのに費用がほとんどかからない一方で、放っておくと本来届いていたはずの問い合わせを丸ごと失う種類の問題です。先に安いところから塞ぐ、と覚えておいてください。
Q2. アクセス数がどれくらいあれば問い合わせは来ますか?
業種と検索の中身によって大きく変わるため、何件あれば来るという数字を一律に示すことはできません。今すぐ相談したい人が打ち込む言葉と、何となく調べている人が打ち込む言葉では、同じ1回の訪問でも意味がまったく違うからです。代わりにおすすめしたいのは、絶対数ではなく中身を分けて見る方法です。Search Consoleで、会社名で検索されたときの表示回数とクリック数、サービス名や地域名で検索されたときの表示回数とクリック数を、別々に眺めてみてください。会社名でしか見られていないなら、あなたを既に知っている人しか来ていない状態です。この場合は、まだ知らない人に届く言葉がサイトに足りていない、という具体的な次の一手が見えてきます。
Q3. 問い合わせフォームと電話番号は、どちらを目立たせるべきですか?
迷ったときは両方を置き、スマートフォンの最初の画面で両方に指が届く状態にしておくのが安全です。連絡手段の好みは相手によって分かれ、その場で話して決めたい人と、文章で残したい人の両方が必ずいます。片方しか置かないのは、店の入口を1つ閉めたまま営業しているようなものです。1つだけ確かめておきたいのは、電話番号が文字として書かれているだけで、押しても発信できない状態になっていないかという点です。スマートフォンでは番号を押せば発信画面が出るのが当たり前になっているため、押しても何も起きないと、そのまま離れてしまうことがあります。自分の電話で一度押して確かめるだけで済みます。
Q4. フォームから送ったのに返事がないと言われました。何を確認すればいいですか?
3か所を順に確かめてください。1つ目は、フォームの送信そのものが成功しているか。自分で実際に送ってみて、送信完了の画面が出るかを確認します。2つ目は、通知メールが届いているか。迷惑メールフォルダと、複数人で受けている場合は全員分を確認します。3つ目は、こちらから出した返信が相手に届いているか。ここが最も見落とされます。Googleはメール送信者のガイドラインで、すべての送信者に対し送信元ドメインへのSPFまたはDKIMの設定などを求めており、この設定が整っていないメールは迷惑メール扱いになったり届かなかったりすることがあります。自社ドメインのメールを使っている場合は、契約しているサーバー会社の管理画面で設定状況を確認するか、管理を任せている業者に確認を依頼してください。
参照元・出典
本記事は2026年8月7日に調査した公開情報にもとづきます。統計は調査名・調査時点・公表日を明記し、仕様や要件は公式ドキュメントを一次として扱っています。メールの配信要件や検索の仕様は変更されることがあるため、設定前には各公式ページの最新表示をご確認ください。なお本記事では、ホームページの制作を代行する事業者の社名・サービス名・URLは記載していません。
一次ソース(行政・公的機関)
- 令和7年通信利用動向調査の結果(総務省・2026年5月29日公表)——調査時点は令和7年8月末。個人のインターネット利用率85.7%、利用機器はスマートフォン74.3%・パソコン45.6%、年齢階層別では40代91.4%・50代89.2%・60代80.9%、世帯のスマートフォン保有割合91.8%
- 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(個人情報保護委員会)——本人から直接、書面(入力画面を含む)で個人情報を取得する場合の利用目的の明示
一次ソース(公式ドキュメント)
- 表示回数、掲載順位、クリック数とは(Search Console ヘルプ)——表示回数とクリック数の定義
- メール送信者のガイドライン(Gmail ヘルプ)——すべての送信者に求められるSPFまたはDKIMの設定、DNSレコード、TLS接続、迷惑メール率の基準、1日5,000件以上の送信者への追加要件
- モバイル ファースト インデックスのベスト プラクティス(Google 検索セントラル)——スマートフォン版のページを基準に評価する仕組み