会社のホームページに必要なページ構成|5ページで足りる業種・足りない業種
ホームページを作ろうと決めたとき、最初に出てくる質問はたいてい「何ページ必要ですか」です。答える前に、ひとつ整理しておくことがあります。ここで言うページ構成とは枚数のことではなく、「何を、どの単位で分けて置くか」の設計を指します。会社案内の冊子でいえば、総ページ数ではなく目次の作り方に当たるものです。
その設計は、性質の違う二つの理屈でできています。ひとつは条件に当てはまったときに載せる必要が生じる表記。通販を行う場合の特定商取引法に基づく表記や、フォームで個人情報を受け取る場合の利用目的の公表がこれです。もうひとつは人が判断するために要るページ。前者は「当てはまるか」で決まり、後者は「どの経路で人が来るか」で決まります。混ぜて数えると必ず迷います。
本記事ではこの二つを分けたうえで、最小構成5ページの中身と、5ページでは足りなくなる業種の見分け方を示します。法律に関する記述は2026年8月7日に消費者庁と個人情報保護委員会の公開資料で確認した内容にもとづき、断定を避けて条件つきで書いています。
「必要なページ」は2つの理屈でできている
ページ構成の話がこじれる原因は、種類の違うものを同じ列に並べてしまうことにあります。「プライバシーポリシーと会社概要と施工事例、どれから作りますか」と並べた瞬間に、判断の物差しが失われます。前者は条件に当てはまれば必要になるもの、施工事例は来た人を動かすために置くもの。義務と戦術を同じ天秤に載せているようなもので、比べようがありません。
そこで最初に二つの箱へ仕分けます。これができると、見積書に並んだページ名のうち、どれが省けない項目でどれが選べる項目かを自分で判断できるようになります。
枚数から入ると、なぜ失敗するのか
「10ページのプラン」という数え方は、見積もりを作る側には便利です。作業量が読めるからです。しかし発注する側には、10と20の違いが自社にとって何を意味するのか分かりません。引っ越しの見積もりで「段ボール30箱プラン」と言われても、荷物が入りきるかは分からないのと同じです。先に決めるべきは箱の数ではなく入れるものの種類。中身が決まれば枚数は結果として出てきます。
条件に当てはまったときに必要になる表記
以下は2026年8月7日に消費者庁および個人情報保護委員会の公開ページで確認した内容です。制度は改正されることがあるため、実際に整える際は最新の記載をご確認ください。
サイト上で申込みを受け付けて売る場合=特定商取引法に基づく表記
消費者庁の特定商取引法ガイドは、通信販売を「販売業者又は役務提供事業者が『郵便等』によって売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う商品、権利の販売又は役務の提供」と説明しています。ポイントは申込みを受け付けているかどうか。会社案内と問い合わせ窓口があるだけで、サイト上で申込みを受け付けていない場合は、この枠には当たらないという整理になります。ただし「郵便等」には電話やメールも含まれるため、価格を載せて電話やメールで注文を受ける形は通信販売に当たり得ます。
見落とされやすい適用除外もあります。同ガイドは、営業のためまたは営業として締結するもの、海外にいる人への販売または役務提供、国や地方公共団体が行うものなどを適用除外として挙げています。事業者どうしの取引は、この「営業のため」に含まれます。「消費者保護の制度だから自分にも当然かかる」と早合点しやすい場所です。
該当する場合に広告へ表示することとされている事項は次のとおりです。表は横にスクロールできます。
| 表示することとされている事項 | 中身のイメージ |
|---|---|
| 販売価格(役務の対価) | 商品やサービスの価格。送料の表示も必要とされています |
| 送料・その他の負担金 | 販売価格と送料以外に購入者が負担する金銭があるときは、その内容と額 |
| 支払時期と支払方法 | 前払いか後払いか、振込・カード・代引きなどの手段 |
| 引渡時期・提供時期 | 商品の引渡時期、権利の移転時期、役務の提供時期 |
| 申込期間の定め | 申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨と内容 |
| 撤回・解除に関する事項 | 申込みの撤回や解除の条件。特約があればその内容も |
| 契約不適合時の責任 | 商品が種類・品質で契約内容に適合しない場合の定めがあるときは、その内容 |
| 事業者の氏名(名称)・住所・電話番号 | 住所は現に活動している住所、電話番号は確実に連絡が取れる番号とされています |
| 責任者の氏名 | 法人のネット広告では、代表者または通信販売業務の責任者の氏名 |
| ソフトウェアの動作環境 | ソフトウェアを販売する場合に、その動作環境 |
置き方の記載もあります。これらの事項は、消費者が容易に認識できるような文字の大きさ・方法で、容易に認識できる場所に表示しなければならないとされ、インターネット広告では「特定商取引法に基づく表記」等のリンク表示で対応可能と説明されています。だからこそ1ページ独立させる形が一般的です。冊子の巻末の奥付のようなものと考えると、置き場所の感覚がつかめます。
なお住所と電話番号には、省略できる場合の説明もあります。消費者からの請求によって広告表示事項を記載した書面または電子メール等を遅滞なく提供することを広告に表示し、実際に遅滞なく提供できる措置を講じている場合です。ただし請求されたらすぐ出せる体制と引き換えになります。
フォームなどで個人情報を受け取る場合=利用目的の公表
もうひとつは個人情報です。個人情報保護委員会は、個人情報データベース等を事業の用に供している者であれば、識別される特定の個人の数の多寡にかかわらず個人情報取扱事業者に該当する、と説明しています。かつては5,000人分以下しか扱わない事業者が除外されていましたが、平成29年5月30日の改正施行後は件数を問わず対象です。数名の会社でも、フォームで名前とメールアドレスを受け取っていれば対象と考えるのが安全です。
ホームページに関係するのは主に二つ。ひとつは利用目的の通知または公表で、個人情報を取得した場合は、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに本人に通知し、または公表しなければならないとされています。もうひとつは保有個人データに関する事項で、事業者の氏名または名称と住所(法人の場合は代表者の氏名)、利用目的、開示等の請求等に応じる手続、安全管理のために講じた措置や苦情の申出先などを、本人が知り得る状態に置くこととされています。
正直に書いておくと、「プライバシーポリシーというページを作れ」という定めではありません。個人情報保護委員会のよくある質問でも、開示等の請求等に応じる手続については、必ずしもホームページに掲載しなくてよく、問合せ窓口を設けて口頭または文書で回答できる体制があれば足りる、と説明されています。それでも多くの会社が1ページ置くのは手間が少ないからです。いわば、来客のたびに説明する代わりに玄関へ案内板を立てておくようなもの。説明の手間をまとめて片づけるために置く、と考えると位置づけがはっきりします。
業種によっては、別のルールがあることを前提に確認先を決める
医療、不動産、人材、金融など、広告や表示について業種ごとのルールが定められている分野があります。実務で大事なのは「確認先を1つ決めておく」ことです。決めていないと「たぶん大丈夫」で通してしまいます。新しく作るときや表現を変えるときに一度目を通してもらう工程を入れるだけで、後から書き直す事態は減らせます。制作会社選びの段階でこの担当を確かめたい方は、契約書だけに現れる危険サインを含めた制作会社の選び方もご覧ください。
最小構成5ページの中身と、それぞれの役割
ここからが箱2の話です。多くの中小企業にとっての出発点になるのが、次の5ページです。枚数を先に決めたのではなく、役割の違うものを分けていったら5つになった、という順番で見てください。
トップ|3秒で「何屋か」が分かる場所
トップページの仕事は、来た人に「ここは自分が探していた場所か」を判断させることです。会社名だけが大きく置かれ、業種も地域も分からないサイトは珍しくありません。看板に店名しか書いていない店のようなもので、通りがかりの人には何を売っているか伝わりません。そろえたいのは、何をしている会社か・どこを対象にしているか・次に何をすればいいかの3つ。特に3つ目が抜けやすく、次の一歩がないと来た人はそのまま戻ります。
事業内容|相手の言葉で書く
よくあるのが、社内の呼び方をそのまま並べてしまうケースです。「総合ソリューション事業」といった言葉は社内では通じますが、初めて見る人には何も伝わりません。相手が困りごとを言葉にするときの語彙に翻訳する必要があります。
サービスが複数あっても、最初から1サービス1ページに分ける必要はありません。まず1ページにまとめ、問い合わせが集中したものから独立させる。最初から細かく分けると、更新されないページが並びがちです。
会社概要|信用を確かめに来る人が必ず開く
地味に見えて、実際にはよく見られるページです。取引先が与信の材料として見ることも、応募者が働く場所を確かめるために見ることもあります。所在地、設立年、事業内容、連絡先が一覧で並んでいるだけで、判断できることが増えます。
この考え方はGoogleの説明とも重なります。Googleは有用なコンテンツの自己評価の質問として、「コンテンツは、明確な情報源、掲載されている専門知識の証左、著者またはコンテンツを公開しているサイトの背景情報(例: 著者のページへのリンク、サイトの概要ページ)を示すなど、掲載内容が信頼性の高いものであることを示すための情報を提供していますか」を挙げています。サイトの概要ページが、信頼性を示す手段として例示されているということです。
お問い合わせ|受け取ってから返すまでを設計する
大切なのは、フォームの見た目よりその後の流れです。送信した人に「届きました」と伝わる画面や自動返信があるか。返信の目安(例:2営業日以内)が書かれているか。電話やメールなど、フォーム以外の手段も選べるか。この3つがそろわないと、送った側は不安になります。
受け取る側の体制も決めておきます。誰が最初に見るのか、休日に届いたらどうするのか。一次対応の仕組みを考えたい場合は、問い合わせの一次対応とFAQを設計する考え方も参考になります。
プライバシーポリシー|フォームを置くなら実質セット
前章のとおり「ページを作れ」という定めはありません。ただ、フォームで個人情報を受け取るなら利用目的を公表しておくのが最も手数が少なく、その結果として1ページになる、という位置づけです。苦情の申出先や開示等の請求への窓口もここにまとめておけば、毎回考えずに済みます。
足りる・足りないは「どの経路で来るか」で決まる
ここが本記事の中心です。5ページで足りるかどうかは、業種の格や規模で決まるのではなく、人が自社にたどり着く経路で決まります。経路は大きく3つに分かれます。
経路1|指名検索:名前を知っている人が確かめに来る
名刺を渡した相手、紹介された人、チラシを見た人が、会社名や店名で検索して見に来る。これが指名検索です。この人たちはすでに自社の存在を知っていて、確認のために来ているため、必要なのは説得ではなく事実です。5ページで十分に機能します。
ここが中心の会社が大きなサイトを作っても、効果は見えにくくなります。目的が「確かめる」である以上、ページを増やしても確かめる作業が長くなるだけだからです。大事なのは内容が今の実態と合っていること。この点は更新されないサイトの実害と月15分の保守手順で扱っています。
経路2|地域検索:地図の枠が先に目に入る
「地域名+業種」で探される場合、検索結果では地図と店舗情報の枠が先に目に入ります。この領域はGoogleビジネスプロフィールの整備が効くところで、ホームページ側の役割はそこに書かれた情報と食い違わないことに寄ります。営業時間、住所、電話番号が地図側とサイト側で違っていると、来た人は判断を止めます。ビジネスプロフィールだけで足りるかは別の整理が要るため、ここでは深入りしません。
この経路が主力なら、5ページに加えて要るのは来店・来訪の判断に直結する情報です。メニューや料金の目安、アクセス、駐車場の有無。行くかどうかを決める材料だけを足せば、枚数は増えません。
経路3|課題検索:自社を知らない人がたどり着く
「〇〇 費用」「〇〇 選び方」といった困りごとの言葉で検索して、自社を初めて知る。これが課題検索です。ここが主力になる場合、5ページでは足りません。疑問の数だけ受け皿が必要だからです。原則は1つの疑問に1ページ。全部詰め込むと、探している答えにたどり着く前に離脱します。1冊の分厚い本にすべての分野が入っているより、テーマごとに分かれた棚のほうが探しやすいのと同じです。
業種×ページ要否マトリクス
どの経路が主力になるかは、業種によって傾向が分かれます。以下はその目安です。同じ業種でも取引の形によって変わるため、断定ではなく出発点として使ってください。
表の形でも整理します。「当てはまりやすい表記」の列は、条件に当てはまった場合に必要になるものを示しており、すべての会社に必ずかかるという意味ではありません。表は横にスクロールできます。
| 業種の例 | 主な経路 | 5ページで足りるか | 先に足したいページ | 当てはまりやすい表記 |
|---|---|---|---|---|
| 製造・部品加工 | 指名+課題 | 足りないことが多い | 加工事例、設備一覧、品質・認証 | 利用目的の公表(フォーム) |
| 建設・工務店・リフォーム | 地域+課題 | 足りないことが多い | 施工事例、対応エリア、工事の流れ | 利用目的の公表 |
| 士業・コンサルティング | 指名+課題 | 半々(相談経路による) | 取扱分野、料金の考え方、相談の流れ | 利用目的の公表/業種ごとの広告ルール |
| 飲食・小売の店舗 | 地域+指名 | 足りることが多い | メニュー、アクセス、駐車場 | 利用目的の公表(予約フォーム) |
| 治療院・サロン | 地域+指名 | 足りることが多い | 施術内容、料金、予約方法 | 利用目的の公表/広告ルールの確認 |
| 教室・スクール | 地域+課題 | 足りないことが多い | コース一覧、料金、体験の申込 | 利用目的の公表/申込を受ける形なら要確認 |
| ネット販売あり | 課題+指名 | 足りない | 商品ページ、返品・交換、配送 | 特定商取引法に基づく表記/利用目的の公表 |
| 採用を強めたい会社 | 指名 | 5ページ+1 | 採用情報(仕事内容・環境・応募方法) | 利用目的の公表(応募フォーム) |
この表の使い方
自社の行に線を引いたら、次は「先に足したいページ」を実際に書けるか確かめることです。施工事例なら写真とお客様の許可がそろうか。料金なら社内で説明の仕方が固まっているか。書けないものを枠だけ作ると、「準備中」の文字が何か月も残ります。手が足りない場合は、進め方そのものを決め直したほうが早いこともあります。判断材料は経営者の時給で考える自作と外注の損益分岐点にまとめています。
足りない会社が、ページを増やす順番
「足りない」と分かったとき、いきなり10ページ足すのは無理があります。順番をつけて1枚ずつ増やすほうが、結果的に早く形になります。
STEP 1|実際に聞かれている質問に1枚ずつ答える
最初に足すべきは、電話や商談で実際に何度も聞かれている質問です。「料金はどれくらいか」「対応エリアはどこまでか」「依頼してから何日かかるか」。この3つはほとんどの業種で共通し、すでに口頭で答えているので材料は社内にそろっています。しかも聞かれる頻度が高い質問ほど、検索でも同じ言葉が使われます。社内にある会話を文字にする作業だと考えると、書き出しの負担が下がります。
STEP 2|事例・実績は「判断材料」の形で置く
事例のページは、写真を並べるだけでは判断材料になりません。どんな課題があって、何をして、どう変わったかの3点がそろって初めて、読んだ人が自分に置き換えられます。3件でも構いません。数より1件あたりの読み応えです。
お客様の名前や写真を出す場合は、事前に許可を取る手順を決めておきます。口頭の了承だけで進めると、後から掲載を止めることになりかねません。メールでも記録が残る形にします。
STEP 3|よくある質問は、増えたら独立させる
STEP 1のページに質問が増えてきたら、よくある質問として独立させます。最初からQ&Aの枠だけ作ると、埋めるための質問を考える作業が発生します。実際に届いた質問がたまってから作るほうが中身が濃くなります。
STEP 4|記事・ブログはいちばん最後
ブログを最初に始める会社は多いのですが、順番としては最後です。ここだけが終わりがない仕事だからです。他のページは一度作れば当分そのままですが、記事は書き続ける前提で始まります。3か月続かなければ、「最終更新が半年前」という状態が来た人に見えます。
始めるかどうかは、更新の担当と頻度が決まってから判断してください。決まらないまま始めるのは、毎日水やりが必要な植物を留守がちな家に置くようなものです。運用の負荷から仕組みを選ぶ考え方は、ホームページにWordPressは必要かという判断の整理でも扱っています。
ページ構成でつまずきやすい3つの型
ページ構成でつまずきやすい型を3つ挙げます。どれも構成の設計を先にしていれば避けられます。
型1|ページが多いほど検索に強い、という思い込み
枚数そのものが評価される仕組みではありません。実際に起きるのは、増やした半分が古い情報のまま残ることです。10ページのうち5ページが古いサイトより、5ページすべてが正確なサイトのほうが判断を助けます。
型2|会社概要が1行で終わっている
「社名と住所だけ」で済ませているケースです。信用を確かめに来た人にとって、ここが情報の少ない場所になってしまいます。名刺の裏面が白紙のままになっているようなもので、渡す機会は多いのに情報が乗っていない状態です。
型3|問い合わせページが「置いてあるだけ」
フォームはあるが、送信後に何が起きるか分からない。返信の目安もない。電話番号がフッターにしかない。こうしたページは最後の一歩を止めます。自社のフォームから自分宛てに一度送ってみるだけで、多くの不具合は見つかります。届いたメールが迷惑メールに振り分けられていないかまで確認できれば確実です。
私たちの見解|ページ数は「維持できる数」で決まる
最後に、ここまでの整理を1つの考え方にまとめます。私たちは、ページ数は理想の姿ではなく維持できる数で決めるべきだと考えています。
ホームページは作った時点が最高の状態で、そこから少しずつ現実とずれていきます。料金が変わる、営業時間が変わる、担当者が変わる。ページが多いほど、ずれが起きる場所も増えます。枚数は、そのまま将来の点検箇所の数に相当します。だから5ページで始め、実際に聞かれた質問から1枚ずつ足していく。この進め方なら増えたページには必ず理由があり、理由があるページには更新の動機も残ります。
もうひとつ、正直に書いておきます。5ページで十分な会社は、本当にあります。名刺交換と紹介で仕事が回り、サイトは確認のために見られるだけ、という会社は珍しくありません。必要なのは枚数ではなく、内容が今の実態と合っていることです。
自社がどちらかを判断する材料として、この記事の3経路と業種マトリクスを使ってください。費用の目安は初期費用型と月額型を5年総額で比べた費用相場の記事に、月額で構成の見直しまで任せる形は当社のホームページ制作サービスにまとめています。
まとめ
本記事の要点を順番どおりに並べておきます。
「何ページ必要ですか」に一言で答えるなら、「当てはまる表記の数+来る人が判断するために要る数」。数字は最後に出てきます。先に出てくる数字は、たいてい誰かの都合で決まった数字です。
よくある質問
Q1. 会社のホームページは何ページ必要ですか?
「何ページ必要か」は一つの数字では決まりません。決まり方が二つに分かれているからです。一つは、通販を行う場合の特定商取引法に基づく表記や、フォームで個人情報を取得する場合の利用目的の公表のように、条件に当てはまったときに載せる必要が生じる表記。もう一つは、検索や紹介から来た人が判断するために要るページです。会社名や店名で検索されて確認のために見られるだけなら、トップ・事業内容・会社概要・お問い合わせ・プライバシーポリシーの5ページで足りることが多く、困りごとの言葉で検索して初めて自社を知る人を相手にする場合は、その疑問ごとにページが要ります。まず自社がどちらに近いかを決めてから枚数を数えると、判断がぶれません。
Q2. プライバシーポリシーのページは必ず作らないといけませんか?
プライバシーポリシーという名前のページを作れ、という定めがあるわけではありません。個人情報保護法は、個人情報を取得した場合にあらかじめ利用目的を公表しているときを除き、速やかに利用目的を本人に通知または公表することを求めています。また保有個人データについては、事業者の名称や住所、利用目的、開示等の請求に応じる手続などを本人が知り得る状態に置くこととされています。個人情報保護委員会のよくある質問でも、この手続は必ずしもホームページに掲載しなければならないわけではなく、問合せ窓口を設けて口頭または文書で回答できる体制を構築しておけば足りるとされています。ただし、フォームで名前とメールアドレスを受け取るのであれば、あらかじめ公表しておく形が実務上いちばん手間が少なく、それを1ページにまとめたものがプライバシーポリシーです。
Q3. ネットで商品を売らないなら「特定商取引法に基づく表記」は不要ですか?
特定商取引法の通信販売は、販売業者や役務提供事業者が郵便や電話、インターネットなどによって売買契約や役務提供契約の申込みを受けて行う販売・役務の提供を指すと、消費者庁の特定商取引法ガイドで説明されています。会社案内と問い合わせ窓口だけで、サイト上で申込みを受け付けていない場合は、この枠には当たらないという整理になります。また、営業のためまたは営業として締結するものは適用除外とされており、事業者どうしの取引はここに含まれます。一方で、オンラインで申込みや決済まで完結させる仕組みを足した時点で位置づけが変わるため、その機能を追加する前に確認するのが安全です。
Q4. ページを増やせば検索に強くなりますか?
枚数そのものが評価される仕組みではありません。Googleは有用なコンテンツについての自己評価の質問の中で、明確な情報源や掲載されている専門知識の証左、著者またはサイトの背景情報を示しているかを挙げ、その例としてサイトの概要ページへのリンクを示しています。数ではなく、誰が書いていて何を根拠にしているかが伝わるかどうかが問われている、という書き方です。実際に起きやすいのは、ページを増やしたものの半分が古い情報のまま残り、営業時間や料金が現状と違う状態になることです。増やすかどうかは、更新を誰が担当し、何か月続けられるかを決めてから判断するのが現実的です。
参照元・出典
本記事は2026年8月7日に調査した公開情報にもとづいて作成しています。法令や制度は改正されることがあるため、実際に整える際は各機関の最新の記載をご確認ください。本記事は一般的な整理であり、個別の事案についての法的助言ではありません。
一次ソース(行政・公的機関)
- 通信販売(消費者庁・特定商取引法ガイド)——通信販売の定義と適用除外
- 通信販売広告について(消費者庁・特定商取引法ガイド)——広告に表示することとされている事項、表示の方法と場所
- 通信販売広告Q&A(消費者庁・特定商取引法ガイド)——住所・電話番号の表示を省略できる場合(Q17)
- 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(個人情報保護委員会)——利用目的の通知または公表、保有個人データに関する事項の公表等
- 個人情報を取り扱う件数が少ない事業者も個人情報取扱事業者に該当しますか。(個人情報保護委員会)——件数の多寡にかかわらず該当すること
- 開示等の請求等に応じる手続は必ずホームページに掲載しなければいけませんか。(個人情報保護委員会)——問合せ窓口の体制で足りるとされること
一次ソース(公式ドキュメント)
- 有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成(Google 検索セントラル)——サイトの概要ページに関する自己評価の質問
本記事の作成・検証方法
制度に関する記述は上記の公開ページを2026年8月7日に直接参照し、原文の表現から離れない範囲で言い換えています。業種ごとの経路の傾向とページ要否のマトリクスは当社が相談で用いている整理の枠組みであり、統計調査にもとづく数値ではありません。図表の記載は業種の傾向を短くまとめた目安で、同じ業種でも事業内容によって変わります。