2026.10.16 (更新 2026.10.15) · 12分で読める AIツール比較

Gemini 4 Argonとは|料金・使える場所・数字の読み方を整理

Gemini 4 Argonは、9月30日に発表され、2週間たらずで提供が広がりました

Google は2026年9月30日に、新しい最上位モデル「Gemini 4 Argon」を発表しました。最初に使えたのは、サイバー防御を担う信頼できる限られた担当者などでした。米国時間の10月13日に、Gemini アプリ、Gemini API、Google Cloud へ提供が広がっています。

結論を先に書くと、アプリで使えるのは Google AI Pro・Ultra の契約者(職場・学校のアカウントは別の条件)で、無料のアプリは対象外です。API(ほかのソフトから AI を使う窓口)は有料枠のみで、料金は100万トークン(AI が文章を数える単位)あたり、11月30日まで入力2ドル・出力10ドルの導入価格、12月1日から倍の4ドル・20ドルです。性能の数字の多くは Google 自身の発表で、日本語や自社の仕事での比較は、確認した公式資料には載っていません。

この記事を読むとわかること

  • 何が出て、どう段階的に提供されたか
  • どこで、誰が使えるか(アプリ・API・クラウド)
  • 料金と、導入価格が終わったあとの金額
  • 性能の数字の読み方
  • 安全面の説明と、乗り換える前に決める3つ

目次

Gemini 4 Argonの動き 9月30日に発表され、最初は信頼できるサイバー防御担当者などに提供された。米国時間10月13日にアプリ、API、クラウドへ広がった。アプリは個人ならGoogle AI ProとUltraの契約者、APIは有料枠が対象。下の帯に、性能の数字は多くがGoogleの自社発表と書いた図 Gemini 4 Argonの動き 9月30日:発表 最初は限られた担当者に 米国時間10月13日:提供開始 アプリ・API・クラウド 使える人 Pro・Ultra(個人)、有料API 性能の数字は、まず Googleの自社発表と読む AI Lab OISHI

何が出たか:発表から提供開始まで

Google の発表(9月30日)によると、Gemini 4 Argon は、実際のソフトウェア開発、法務や財務のような知識業務、サイバー防御のように長く続く複雑な作業に向けたモデルです。入力できるのはテキスト・画像・動画・音声・PDF で、出力はテキストです(モデルのページ)。画像や音声を作ることはできません。

数字で変わったのは出力の長さです。1回の返答で出せる量の上限は、これまでの6万4千トークンから、最大約100万トークンになりました。入力・考える分・出力を合わせて扱える量は約100万トークンで、1回の返答の初期値は6万5千トークンあまりです。

最初に限られた人だけが使えた理由は、Google の発表にあります。このレベルの能力を安全に出すには段階的に進める必要があるとして、アメリカ政府の任意の事前確認の手続きにも参加しながら、少しずつ広げると書いています。たとえるなら、新しい橋を、まず点検の担当者に渡って確かめてもらってから、一般の車に開くような順番です。最初の提供先は、サイバー防御の担当者に限られた「Fairwind Program」で、一般向けは米国時間10月13日に実際に広がりました。

Gemini アプリでは、アプリ向けの発表が、答え方の変化を挙げています。遠回しな言い方を減らして直接答え、同じことを繰り返さず、長い作業では進み具合をこまめに知らせる、という説明です。あわせて、チャットから「タスク」に切り替えると、パソコンから離れていても Gemini が作業を進め、40以上のアプリとつながる、とも書いています。

どこで、誰が使えるか

公式の発表から、使える場所と条件を並べると次のとおりです。

場所 使える人・条件 公式の書き方
Gemini アプリ Google AI Pro・Ultra の契約者(職場・学校のアカウントは別) アプリの発表は「Pro と Ultra の契約者が今日から使える」
Gemini API 有料枠のみ。無料枠はない 開発者向けの発表は「Google AI Studio と Android Studio の有料枠で作れる」。料金表の無料枠は「Not available」
AI Studio・Antigravity Google AI Ultra の契約者も試せる 開発者向けの発表。Antigravity は Google の「エージェント優先の開発の場」
Google Cloud 企業向けの「Gemini for business」と、Gemini の企業向け基盤の API クラウドの発表は「今日から使える」。モデルのコードは gemini-4-argon

Google の各発表と料金表(2026年10月15日確認)。

どこで使えるか Geminiアプリは個人ならGoogle AI ProとUltraの契約者。Gemini APIは有料枠のみで無料枠はない。AI StudioとAntigravityはUltra契約者も試せる。Google Cloudは企業向けのGemini for business。下の帯に、無料のアプリは公式のプラン表で対象外と書いた図 どこで使えるか Geminiアプリ Google AI Pro・Ultra(個人) Gemini API 有料枠のみ(無料枠なし) AI Studio・Antigravity Ultra契約者も試せる Google Cloud 企業向けGemini for business 無料のアプリは 公式のプラン表で対象外 AI Lab OISHI

無料のアプリは対象外です。公式のプラン表で、無料は Flash-Lite、Argon は Pro・Ultra だけです。利用上限は回数でなく倍率で、Pro は無料の4倍、Ultra は Pro の5倍か20倍です。

職場・学校のアカウント(Workspace)は別で、公式ヘルプ(英語版)の表では、通常のエディションは対象外、AI Expanded Access が1日200回まで、AI Ultra Access が500回までです。

日本向けの開始日は見当たりませんが、Google の日本語ブログは世界で順次提供と書いています。

料金:導入価格は11月30日まで

API の料金表によると、有料枠の料金は次のとおりです。12月1日から、入力も出力も2倍になります。

項目 11月30日まで(導入価格) 12月1日から
入力 2ドル 4ドル
出力(考える分を含む) 10ドル 20ドル
キャッシュした入力 0.10ドル 0.20ドル
無料枠 なし なし

100万トークンあたり(米ドル)。Google の料金表(2026年10月15日確認)。キャッシュは、同じ前置きを繰り返すときに安くなる仕組みで、入力単価の95%引きです。

APIの単価(100万トークン) 11月30日までの導入価格は入力2ドル、出力10ドル。12月1日からは入力4ドル、出力20ドル。無料枠はない。下の帯に、出力には考える分も含まれると書いた図 APIの単価(100万トークン) 11月30日まで(導入価格) 入力2ドル・出力10ドル 12月1日から 入力4ドル・出力20ドル 無料枠 なし(有料枠のみ) 出力には、考えた分も含まれる 答えが短くても費用は増える AI Lab OISHI

注意したいのは、出力の単価に、答えを出す前に考えた分のトークンも含まれることです。画面に見える答えが短くても、裏で考えた量が多ければ、出力として数えられます。たとえるなら、タクシーで、客席から見えない遠回りの分もメーターに入るようなものです。仮の計算をします(筆者の計算)。長い資料を読ませて入力が10万トークン、考えた分を含めた出力が2万トークンだったとします。導入価格では、入力が0.20ドル、出力が0.20ドルで、合計0.40ドルです。12月1日からは同じ依頼が0.80ドルになります。試算は12月1日からの価格で行うと、導入価格が終わったあとの驚きが減ります。

Gemini アプリは Pro・Ultra の月額に含まれ、トークン単位の請求はありません。月額の金額はGoogle AI プランの公式ページで確かめてください。トークン課金の考え方はAIの従量課金の記事にあります。

性能の数字の読み方

発表には数字が並びます。まず、どれも Google が載せた数字で、自社測定と外部の結果が混ざります。独立した測定は別に1つです。

評価 何を測るか Argon の数字 出どころ
DeepSWE v1.1 長いソフトウェア開発の作業 77.9% Google の発表
AutomationBench 業務を最初から最後まで実行できるか(Zapier の評価) 51.3%(1位) Google の発表(Zapier)
LVBench 長い動画の理解 91.7% Google の発表
CWE-bench v1 ソフトの弱点を直す力 68%(同率1位) Google の発表(順位表)
Gray Swan の評価 資料に仕込まれた悪い指示への耐性(15回の攻撃での成功率) 0.7% Google Cloud の発表(Gray Swan)
総合の指数 複数の評価を合わせた指数 53(OpenAI の GPT-6 Astra と同点) Artificial Analysis(第三者・9月30日)

Google の発表、Google Cloud の発表、Artificial Analysis の記事(いずれも2026年10月15日確認)。

読むときの注意が3つあります。

1つ目は、「1位」は評価ごとの話だということです。どの評価を発表に載せるかは、発表する側が選びます。Google の記事は「最先端(state of the art)」「首位」と書いていますが、他社の数字は自己申告が中心で、条件はそろっていません。

2つ目は、同じ名前でも測り方が違えば数字を比べられないことです。たとえば AutomationBench は、Google の発表で51.3%です。一方、Artificial Analysis は名前の違う「AutomationBench-AA」で78%を出しています。数字が違うのは、測り方が別のためと考えられます。たとえるなら、同じ「100メートル走」でも、風の条件が違えば記録は比べられません。

3つ目は、得意と不得意が混ざることです。Artificial Analysis は、総合の指数がGPT-6 Astra と同点で、知識を問う評価で「わからないときに間違った答えを出す率」が15%と低いとしています(GPT-6 Astra は51%)。一方で、同じ評価の正答率は50%で、Google の前の上位モデル(Gemini 3.1 Pro Preview)より5ポイント、GPT-6 Astra より13ポイント低いとも書いています。つまり、無理に答えず「わからない」と認める傾向が強い、という読み方です。費用は、導入価格で1タスク約2ドル、標準価格になると約4ドルと書かれています。ただし、これは9月30日、まだ限定提供だった段階の測定です。

数字を読む3つの前提 出どころは多くがGoogleの自社発表。同じ名前の評価でも測り方が違えば数字は比べられない。日本語や自社の仕事での公式の数字は確認できなかった。下の帯に、自社の仕事を1つ選んで並べて試してから決めると書いた図 数字を読む3つの前提 出どころ 多くはGoogleの自社発表 同じ名前でも 測り方が違えば比べられない 日本語・自社の仕事 公式の数字は確認できず 自社の仕事を1つ選び 並べて試してから決める AI Lab OISHI

安全面:サイバーの攻撃は止め、防御は強める

Google の説明で、仕事に関わるのは2点です。

1点目は、サイバー攻撃につながる作業を止める仕組みが入っていることです。Google Cloud の発表は、Argon には「侵入テストや悪用のような攻撃的な作業を止める」対策が入っていると書いています。一方、審査を受けた「信頼できる防御担当者」には、この対策をつけない版を出すとも説明しています。

2点目は、資料に仕込まれた悪い指示への耐性です。メールやウェブページ、資料の中に「この指示に従え」という文が隠されていても、AI が従ってしまわないようにする問題です(プロンプトインジェクションの記事)。Google Cloud の発表は、評価の数字(15回の攻撃での成功率0.7%)に加えて、取り消せない操作の前に確認を求めるよう訓練したと書いています。いわば、新幹線の出発前の指差し確認のようなものです。ただし、モデルカードは、もっともらしい間違い(幻覚)が起こりうることと、知識の基準日が2026年3月であることも書いています。出力は人が確かめる前提は変わりません(AIの出力をどこで確かめるか)。

中小企業はどう動くか

ここからは当社の整理で、公的な基準ではありません。乗り換える前に、次の3つを決めておくとよいと考えています。

1|試す仕事を1つ決め、今のAIと並べる。全社で切り替える前に、週に何度も出る仕事(見積書の下書き、問い合わせへの返信など)を1つ選び、今のAIと同じ依頼を Argon にも出して、正しさと手直しの量を並べて見ます。服を買う前の試着のようなもので、日本語の仕事での公式な比較が確認できない以上、自社で見るのが確かです。他社の新しいモデルとの違いは、Claude Sonnet 5.5の記事やOpenAI DevDay 2026の記事で整理しています。

2|試算は12月1日からの価格で行う。API で組み込むなら、導入価格ではなく入力4ドル・出力20ドルで見積もります。判断の材料にする金額は標準価格にします。

3|確認する人と、止める場所を先に決める。長い作業を任せるほど、途中の間違いに気づきにくくなります。取り消せない操作(送信・支払い・削除)の前で止めて、誰が確かめるかを決めておきます。アプリの「タスク」や外部アプリへの接続を使うなら、渡す権限もここで決めます(AIにパソコン操作を任せる前に決める6つ)。

乗り換える前に決める3つ 1つ目は試す仕事を1つ決めて今のAIと並べる。2つ目は試算を12月1日からの価格で行う。3つ目は取り消せない操作の前で止めて確認する人を決める。下の帯に、全社の乗り換えは比べた結果を見てからと書いた図 乗り換える前に決める3つ 1|試す仕事を1つ 今のAIと並べて見る 2|試算は12月1日の価格 入力4ドル・出力20ドル 3|止める場所と確認する人 取り消せない操作の前で 全社の乗り換えは 比べた結果を見てから AI Lab OISHI

APIで使う人の注意

開発者向けのガイドで、仕事に関わる点を拾います。

確認できなかったこと

公式資料で記載を確認できなかった点です。「書かれていない」ことは、「ない」ことではありません。

よくある質問

Gemini 4 Argon とは何ですか。

Google が9月30日に発表した、Gemini 4 世代で最初のモデルです。米国時間の10月13日に、アプリ(個人は Pro・Ultra の契約者)、API の有料枠、Google Cloud で使えるようになりました。

無料の Gemini アプリでも使えますか。

公式のプラン表では、対象外です。無料は Flash-Lite までで、Argon が入るのは Pro と Ultra です。API も有料枠のみで、料金表の無料枠は「Not available」です。

API の料金はいくらですか。

100万トークンあたり、11月30日までは入力2ドル・出力10ドル、12月1日からは入力4ドル・出力20ドルです。無料枠はありません。

他社のモデルより高性能ですか。

一律にはそう言えません。Google の「1位」は Google 自身の発表で、第三者の Artificial Analysis は総合の指数で GPT-6 Astra と同点としますが、9月30日、限定提供の段階の測定です。

すぐに今のAIから乗り換えるべきですか。

当社の整理では、全社で切り替える前に、仕事を1つ選んで、今のAIと同じ依頼を並べて比べることを勧めます。API で試算するときは、12月1日からの標準価格で計算します。

まとめ

1|2週間で提供が広がった アプリは個人なら Pro・Ultra の契約者、API は有料枠のみで、無料のアプリは対象外です。

2|料金は11月30日まで半額 12月1日から入力4ドル・出力20ドルです。

3|まず仕事を1つ並べて試す 試算は12月1日の価格で、取り消せない操作の前で止める人を決めます。

参照元・出典

本記事の内容は 2026年10月15日に確認した時点のものです。料金・提供範囲・利用上限は変わることがあるため、使う前に公式ページで最新の記載をご確認ください。

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