2026.10.15 (更新 2026.10.14) · 12分で読める AIツール比較

リスキリング支援コースでAI研修を使う条件|率・上限・出席・期限の早見表

条件は、職務・時間・日程の3つで確かめられます

人材開発支援助成金の「事業展開等リスキリング支援コース」でAI研修を使うとき、条件は整理すると職務・時間・日程の3つに集まります。この記事は、条件・数字・出典のページ番号・確認日を、3つの早見表にまとめます。厚生労働省のパンフレット(令和8年8月3日版)、支給要領、8月3日の変更点リーフレット、法令を、2026年10月9日に原本で確認しました。

中小企業の場合、経費助成は受講料の75%(大企業60%)、賃金助成は1人1時間1,000円(大企業500円)です。条件は、職務に直接必要な内容であること、実訓練時間が10時間以上であること、出席が8割以上であること、計画届を開始の1か月前までに出すことです。このコースは2027年3月31日までの時限措置で、年度をまたぐ日程は労働局への確認が要ります。

この記事を読むとわかること

  • 対象・お金・手続き・期限を3つにまとめた早見表
  • よくある勘違い3つと、「無料にならない」の意味
  • 自社に当てはめる手順と、助成額の計算例(仮の数字)

目次

助成金(通常分)のお金は2種類 経費助成は受講料の一部で、中小企業は75%、大企業は60%。上限は1人あたり、10〜100時間未満の研修で中小企業30万円・大企業20万円まで。賃金助成は給与の一部の補てんで、1時間1,000円(大企業は500円)、所定労働時間内に受講した時間だけで、受講料の値引きではない。下の帯に、どちらも受講料は先に全額払い、支給は審査のあとで約束ではないと書いた図 助成金(通常分)のお金は2種類 経費助成|払った受講料の一部 受講料×75%(大企業は60%) 上限は中小企業30万円・大企業20万円 (1人あたり・10〜100時間未満の研修) 賃金助成|給与の一部の補てん 1時間1,000円(大企業は500円) 所定労働時間内に受講した時間だけ 受講料の値引きではありません どちらも受講料は先に全額払う 支給は審査のあと。約束ではない AI Lab OISHI

リスキリング支援コースの条件早見表

早見表は、いわば時刻表です。乗る前に、行き先(職務)、所要時間(10時間以上)、発車時刻(計画届の期限)を確かめるために使います。「パンフ」は厚生労働省のパンフレット(令和8年8月3日版)、数字は紙面のページ番号、確認日はすべて2026年10月9日です。

表1|誰が・何を(対象の事業主・労働者・訓練)

項目 条件・数字 出典・確認日
対象の事業主 雇用保険の適用事業所の事業主。職業能力開発推進者の選任、事業内職業能力開発計画の作成と周知、事業展開等実施計画(様式第1-3号)の作成が要ります パンフp.17・p.3(10/9)
中小企業の
線引き
資本金か常時雇用する人数の、どちらかが基準以下。小売・飲食は5,000万円または50人、サービスは5,000万円または100人、卸売は1億円または100人、製造などは3億円または300人。判定は支給申請の時点 パンフp.12・p.10(10/9)
対象の労働者 雇用保険の被保険者で、計画届の対象労働者一覧に載り、訓練の期間中も被保険者であること パンフp.17(10/9)
パート・
アルバイト
呼び名ではなく、被保険者かどうかで決まります。被保険者になる目安は、週の所定労働時間20時間以上、かつ31日以上の雇用見込み ハローワークのFAQ(10/9)
役員 法人の役員は原則として被保険者ではなく、通常は対象外。部長などを兼ねる兼務役員は、実態によって被保険者になる場合があり、個別に判断されます ハローワーク(神奈川)の資料(10/9)
訓練の目的 職場の外で行う訓練(OFF-JT)で、①事業展開、②DX・GX化、③人事・人材育成計画のいずれか。③を使う中小企業は、認定経営革新等支援機関(税務、金融及び企業財務の専門的知識や支援の実務経験が一定レベル以上の個人・法人・中小企業支援機関等を、国が認定したもの)の確認が先に要ります パンフp.13・p.16、変更点リーフレット(10/9)
対象外の内容 2026年8月3日以降の計画届から、職務に間接的に必要な内容と、職種を問わず共通の内容は、DX・GX化の訓練でも対象外。例:汎用的なプロンプトの作り方、DXの概念。営業担当者向けの提案書づくりは、対象の例です 変更点リーフレット、パンフp.28(10/9)
時間 実訓練時間数10時間以上(計画届の提出日と支給申請日の両方で)。昼食の休憩と移動は含めず、小休止は1日60分、開講式などは計60分まで含められます パンフp.19・p.29(10/9)
事業内・事業外 事業内=会社が自ら企画・主催(外部講師や社外の会場でも、会社が企画・主催なら事業内)。事業外=教育訓練機関が企画・主催。事業内は講師の要件があり、eラーニングは対象外。どちらに当たるかは、実態をもとに労働局が判断します パンフp.11・p.18〜20(10/9)
対象は雇用保険の被保険者 パート・アルバイトは被保険者なら対象になり得る(週20時間以上・31日以上が目安)。被保険者でない人は雇用形態を問わず対象外。役員は原則として被保険者ではなく、兼務役員などは個別に判断。下の帯に、計画届の対象労働者一覧に載せることと、受講中も被保険者であることを書いた図 対象は雇用保険の被保険者 パート・アルバイト 被保険者なら対象になり得る (週20時間以上・31日以上が目安) 被保険者でない人 雇用形態を問わず対象外 役員 原則として被保険者ではない 兼務役員などは個別に判断 計画届の対象労働者一覧に載せる 受講中も被保険者であること AI Lab OISHI

表2|お金(助成率・賃金助成・上限・全額負担)

項目 条件・数字 出典・確認日
経費助成の率 中小企業75%、大企業60% パンフp.38(10/9)
賃金助成 1人1時間あたり、中小企業1,000円、大企業500円。所定労働時間内に受講した時間だけ。時間の上限は1,200時間 パンフp.38・p.30(10/9)
経費助成の上限 1人1訓練あたり。10〜100時間未満は中小30万円(大企業20万円)、100〜200時間未満は40万円(25万円)、200時間以上は50万円(30万円)。eラーニング・通信制は15万円(10万円) パンフp.38(10/9)
対象の経費 事業外訓練は、受講料・入学料・教科書代(受講案内で定めたもの)と消費税。受講者の旅費・宿泊費は対象外。AIツールの導入費は、この経費助成の対象経費ではありません。別の枠として、訓練のあとに機器・設備を導入した中小企業向けの割増し(設備投資加算)と、同額で複数の訓練を受講できる定額制サービスがありますが、この記事では扱いません パンフp.21・p.32・p.34・p.38(10/9)
全額負担 経費は支給申請までに会社が全額負担。受講者に一部でも負担させると、賃金助成を含めて対象外。研修会社などから返金・協力金・クーポン・製品やサービスの提供を受け、会社の負担が軽くなる形になると、経費助成は対象外 パンフp.30・p.33(10/9)
価格の差 助成金を使う場合だけ受講料が高いと、差額は対象外(例:30万円と10万円なら差額20万円) パンフp.33(10/9)
経費助成の上限(1人・1訓練) 研修の時間ごとの上限。10〜100時間未満は中小企業30万円・大企業20万円。100〜200時間未満は40万円・25万円。200時間以上は50万円・30万円。eラーニング・通信制は15万円・10万円。下の帯に、経費助成の上限は金額で、賃金助成の上限は時間(1,200時間)と書いた図 経費助成の上限(1人・1訓練) 研修の時間 中小企業 大企業 10〜100時間未満 30万円 20万円 100〜200時間未満 40万円 25万円 200時間以上 50万円 30万円 eラーニング・通信制 15万円 10万円 経費助成の上限は金額 賃金助成の上限は時間(1,200時間) AI Lab OISHI

表3|手続きと期限(計画届・出席・eラーニング・回数・申請・期限)

項目 条件・数字 出典・確認日
計画届 訓練開始日の6か月前から1か月前までに、労働局へ。提出前に始めた訓練は対象外。受理は、支給の約束ではありません パンフp.41・p.40、支給要領0602(10/9)
出席 実訓練時間数の8割以上。年次有給休暇を使っての受講は対象外 パンフp.17・p.29(10/9)
日程の変更 元の日程か変更後の日程の、早いほうの前日までに変更届。出さないと元の日程が分母に残り、受講率が下がります パンフp.43・p.22(10/9)
eラーニング 事業外訓練のみ。標準学習時間10時間以上(または標準学習期間1か月以上)、学習管理システム(LMS)で進み具合を管理、修了が条件。賃金助成はなし。受講者を広く募集していること パンフp.20・p.22・p.38(10/9)
受講回数 1人あたり1年度(支給申請日で数える4月1日から翌3月31日)に3回まで。うちeラーニングは1回まで(令和8年8月3日以降の計画届) パンフp.39、変更点リーフレット(10/9)
支給申請 訓練終了日の翌日から2か月以内(厳守)。審査は申請のあとにまとめて行われ、時間がかかります パンフp.44・p.40・p.10(10/9)
期限 令和9年3月31日(2027年3月31日)までの間、支給すると法令に書かれています(雇用保険法施行規則 附則第35条第1項)。パンフレットの表記は「令和8年度末までの時限措置」 パンフ表紙・p.2、e-Gov(10/9)

費用相場やROIはAI研修の費用・助成金・ROIの記事、
神奈川の補助金の全体像は補助金ガイドをご覧ください。

期限は逆算して決める 1つ目は計画届を開始の6か月前から1か月前までに出す。2つ目は研修を受ける。実訓練時間は10時間以上。3つ目は受講料を支給申請までに全額払う。4つ目は終了日の翌日から2か月以内に支給申請する。5つ目は審査と支給で、時間がかかり約束ではない。下の帯に、支給は2027年3月31日までの間と法令にあり、4月以降にかかる日程は労働局に確認すると書いた図 期限は逆算して決める 1|計画届を出す 開始の6か月前〜1か月前 2|研修を受ける 実訓練時間は10時間以上 3|受講料を全額払う 支給申請までに 4|支給申請 終了日の翌日から2か月以内 5|審査・支給 時間がかかる。約束ではない 支給は2027年3月31日までの間 4月以降にかかる日程は 労働局に確認する AI Lab OISHI

読み方:よくある勘違い3つ

勘違い1|AI研修なら、DXだから自動で対象になる

2026年8月3日以降の計画届から、DX・GX化の訓練でも、職務に間接的に必要な内容と職種を問わず共通に必要な内容は対象外です。変更点リーフレットの例では、生成AIで商品提案書の構成案づくりを学ぶ営業担当者向けの訓練は対象です。生成AIを使うための汎用的なプロンプトの作り方や、DXの概念を学ぶ訓練は対象外です。たとえるなら、包丁の握り方だけを習う講座は対象外で、自分の店のメニューの仕込みを習う講座は対象、というような違いです。

受講者を内容に合わせて選んでいるかも見られます(変更点リーフレット)。厚生労働省の事業主向けQ&A(令和6年10月版。8月3日の改正は未反映です)は、この訓練機関のこの訓練なら対象と認めた訓練はないと答え、個々のケースごとに判断するとしています。

研修会社の選び方は内製か外注かの記事、
職務別の中身は部署別カリキュラムの記事、
全体の設計は設計ガイドにあります。

勘違い2|2つの助成が出れば、研修費は無料になる

厚生労働省のリーフレット「『訓練経費』は無料になりません」は、この助成金を使って訓練経費が無料になったり、利益を得たりすることは制度上できないと書いています。会社が訓練経費を全額負担することが必須の条件で、リーフレットは次のような事例を、全額負担していないとして不正受給にあたるとしています。

2つの助成は、いわば別々の財布です。経費助成は受講料の領収書に、賃金助成は給与明細に対応します。賃金助成は、受講中に会社が払う給与の一部を補うもので、受講料の値引きではありません。不正受給と判断されると、会社名の公表、全額の返金に加えて2割相当額と延滞金、5年間の不支給という結果になります。

勘違い3|3月31日までに研修を始めれば大丈夫

法令は、このコースの助成金を「令和9年3月31日までの間」支給すると定めています。一方、計画届は開始の1か月前まで、支給申請は終了の翌日から2か月以内で、審査には時間がかかります。たとえば3月10日に終わる研修なら、支給申請は3月11日から5月10日までのあいだで、審査や支給の決定は4月以降になることがあります。計画届は、宿の予約のようなもので、受理されても支給が決まったわけではありません。

研修・支給申請・審査のどこまでが3月31日までに要るのかは、確認した範囲(パンフレット、支給要領、制度のページ、変更点リーフレット、条文)では見当たりませんでした。4月以降にかかる日程は、管轄の労働局(神奈川県内は神奈川労働局の神奈川助成金センター)に確認してください。2027年4月以降は概算要求の段階で、率も名称も決まっていません。

自社に当てはめる6つの手順

  1. 受講者を決める:雇用保険の被保険者かを、雇用保険被保険者証などで確かめます。役員は原則として対象外です
  2. 会社の規模を確かめる:中小企業か大企業かで、率が変わります
  3. 研修の中身を職務に照らす:筆者の見立てでは、受講者の名前と、研修のあとに変わる仕事を1文で書けるかが目安です。書けなければ、汎用的な内容の可能性があります。DX化の内容は、事業展開等実施計画に具体的に書きます
  4. 形と時間を確かめる:休憩と移動を除いた実訓練時間が10時間以上か、事業内か事業外か、対面・オンライン・eラーニングのどれかを見ます。区分や対象かどうかは、計画届の前に労働局へ相談します
  5. 日程と社内の準備を並べる:計画届、研修、支払い、支給申請の順に日付を置き、2027年3月31日との関係を労働局に確認します。職業能力開発推進者の選任と、事業内職業能力開発計画の作成・周知は、計画届までに済ませます
  6. 金額を2本に分けて計算する:経費助成と賃金助成を別々に計算します

助成金の申請書の作成、提出の代行、審査への対応を、社会保険労務士でない者が報酬を得て業として行うことは、社会保険労務士法第27条で制限されています(パンフp.21。弁護士など、他の法律に定めがある場合は別です)。自社で行うか、社会保険労務士に依頼するかを、早めに決めておきます。

助成額の計算例(仮の数字)

次の数字は仮の例で、実際の研修の金額ではありません。前提は、受講料12万円(税込)、実訓練時間12時間、中小企業、受講者1名、対面またはその場でやり取りするオンラインで、12時間すべてを所定労働時間内に受講した場合です。

賃金助成の12,000円は、受講中に会社が払う給与の一部を補う額です。たとえば仮に時給2,000円の方なら、12時間分の給与24,000円を会社が払います。受講料12万円は、先に全額払います。助成金は、研修のあとに審査を経て支給され、支給が約束されているわけではありません。条件を変えた例を挙げます。

経費助成の上限は、会食の補助における「1人あたりの限度額」のようなものです。

計算例(仮の数字) 前提は仮の数字で、受講料12万円(税込)・12時間・中小企業・1名・所定労働時間内。経費助成は120,000円×75%で90,000円(1人の上限30万円の範囲内)。賃金助成は12時間×1,000円で12,000円で、受講料の値引きではない。下の帯に、2つは別々の助成で、受講料は先に全額払うと書いた図 計算例(仮の数字) 前提(仮の数字) 受講料12万円(税込)・12時間 中小企業・1名・所定労働時間内 経費助成(仮の数字) 120,000円×75%=90,000円 (1人の上限30万円の範囲内) 賃金助成(仮の数字) 12時間×1,000円=12,000円 受講料の値引きではない 2つは別々の助成 受講料は先に全額払う AI Lab OISHI

よくある質問

AI研修なら、どれでも助成金の対象になりますか。

なりません。2026年8月3日以降の計画届では、DX・GX化の研修でも、職務に間接的に必要な内容や、職種を問わず共通に必要な内容は対象外です。営業担当者向けの提案書づくりは対象の例で、個々の計画は労働局が判断します。

パート・アルバイトや役員も対象になりますか。

対象は雇用保険の被保険者です。パート・アルバイトは、呼び名ではなく被保険者かどうかで決まり、目安は週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みです。法人の役員は原則として被保険者ではなく、通常は対象外です。兼務役員などは個別に判断されます。

eラーニングでも使えますか。

事業外訓練として使えますが、賃金助成がなく、経費助成の上限は中小企業15万円(大企業10万円)です。標準学習時間10時間以上(または標準学習期間1か月以上)と修了が条件で、1人1年度に1回までです。

2027年4月以降も使えますか。

このコースは2027年3月31日までの時限措置です。令和9年度の概算要求の概要(人材開発統括官)には、このコースの名称は載っておらず、率や名称は決まっていません。確定した情報が出るまでは、4月以降の助成を前提にしない計画が安全です。

研修費は、助成金で無料になりますか。

なりません。厚生労働省は「訓練経費は無料になりません」と呼びかけています。会社の全額負担が必須の条件で、返金・謝礼・クーポンなどで会社の負担が軽くなる形になると、経費助成は対象外です。

まとめ

1|条件は、職務・時間・日程の3つ 仕事に直接使う内容か、実訓練時間が10時間以上か、計画届を開始の1か月前までに出せるかを、先に確かめます。

2|お金は2種類で、別々に計算する 経費助成は受講料の一部、賃金助成は給与の一部の補てんで、どちらも受講料の値引きではありません。

3|期限は逆算し、4月以降は労働局に確認する このコースは2027年3月31日までの時限措置です。年度をまたぐ日程は、労働局に確認します。

4|無料にはならない 会社が訓練経費を全額負担することが条件で、返金や謝礼で会社の負担を軽くする提案は、経費助成の対象外になります。当社(AI Lab OISHI)の職務別AI研修の内容と料金はAI研修のページに載せています。助成金の対象になるかどうかは、実際の企画・主催・実施内容を見て労働局が判断しますので、この表と照らして労働局にご確認ください。

参照元・出典

本記事の内容は2026年10月9日に確認した時点のものです。要件や期限は変わることがあるため、計画届の前に、厚生労働省のページと管轄の労働局で最新の内容をご確認ください。

← Blog一覧へ
AIに質問