2026.10.06 · 11分で読める AIツール比較

Claude Sonnet 5.5とは|料金据え置きで速く安く、Opus 5.5との使い分け

Sonnet 5.5は「料金そのまま、速く、少ない手数で」

Anthropic は米国時間2026年9月28日(日本時間9月29日未明)、Claude Sonnet 5.5 を発表しました。9月22日の Opus 5.5 に続く、Claude 5.5 世代の2つ目のモデルです。Opus 5.5 の発表で「数週間のうちに続く」と予告されていたもので(Opus 5.5 の記事でも紹介)、6日後に出たことになります。

結論を先に書くと、料金は Sonnet 5 と同じまま、出力は30%以上速くなり、同じ仕事に使うトークンが減るぶん1タスクの費用は最大30%下がりました(Anthropic のテスト)。無料プランを含む全プランで使えます。ただし、ニュースで目にする「Opus 5.5 を上回った」は条件付きの数字です。範囲が決まった日常の仕事は Sonnet 5.5、判断が続く込み入った仕事は Opus 5.5、という使い分けが公式の説明に沿った選び方です。この記事では、Anthropic・Microsoft・GitHub の公式資料(10月3日確認)をもとに整理します。

この記事を読むとわかること

  • Sonnet 5.5 で何が変わったか(速さ・費用・得意なこと)
  • 料金と使えるプラン、考える量の初期設定
  • 「Opus 5.5 を上回った」という数字の正しい読み方
  • Opus 5.5 との使い分け
  • Microsoft 365 Copilot・GitHub Copilot での提供と、移行の注意点

目次

Sonnet 5.5で変わったこと 100万トークンあたりの単価は入力2ドル、出力10ドルでSonnet 5と同じ。出力の速さはSonnet 5より30パーセント以上速い。1タスクあたりの費用はAnthropicのテストで最大30パーセント減。下の帯に、月額プランの料金は変わらないと書いた図 Sonnet 5.5で変わったこと 単価:据え置き 入力2ドル・出力10ドル(100万トークン) 速さ:30%以上アップ Sonnet 5 と比べた出力の速さ 1タスクの費用:最大30%減 使うトークンが減るため(Anthropic調べ) 月額プランの料金は変わらない 安くなるのはトークン課金の費用 AI Lab OISHI

何が変わったか:速さと「1タスクの費用」

Anthropic の発表によると、Sonnet 5.5 は出力の生成が Sonnet 5 より30%以上速く、Sonnet の中で最も速いモデルです。得意なのは「範囲がはっきりした日常の仕事、バグの修正、整った文書・スライド・表計算の作成」とされています。

費用の下がり方には注意が要ります。100万トークンあたりの単価は Sonnet 5 と同じ(入力2ドル・出力10ドル)で、安くなるのは「同じ仕事をこなすのに使うトークンがずっと少ない」からです。Anthropic のテストで1タスクあたり最大30%安い、という意味です。たとえるなら、タクシーの料金表はそのままで、運転手が近道を覚えたので同じ目的地までのメーターが下がった、という話です。Opus 5.5は単価そのものが2割下がったので、ここが大きな違いです。

そのため、Pro などの月額プランの料金は変わりません。得をするのは、API など使った量(トークン)で支払う使い方です。トークン課金の考え方はAIの従量課金の記事で説明しています。

もう1つの特徴は、考える量(effort)の設定と費用の関係です。公式は、コーディングの評価 Terminal-Bench について「Claude のアプリの初期設定である Medium でも、Sonnet 5 の最高点を、1タスクの費用の10分の1未満で大きく上回る」と書いています。言い換えれば、この評価では、初期設定のままでも、前のモデルを最大にしたときの点数をずっと安く上回ったということです。

料金と使えるプラン

公式の料金表によると、API の料金は次のとおりです。Sonnet 5.5 は Opus 5.5 のちょうど半額です。

モデル 入力 出力 位置づけ
Opus 5.5 4ドル 20ドル 込み入った仕事向け
Sonnet 5.5 2ドル 10ドル 日常の仕事向け(新)
Sonnet 5 2ドル 10ドル 前の世代(引き続き提供)
Haiku 4.5 1ドル 5ドル 軽い仕事向け

100万トークンあたり(米ドル)。Anthropic の料金表(2026年10月3日確認)。まとめて処理するバッチ処理は半額。

APIの単価の比較 100万トークンあたりの単価。Opus 5.5は入力4ドル、出力20ドル。Sonnet 5.5は入力2ドル、出力10ドルで、Sonnet 5と同じ。Haiku 4.5は入力1ドル、出力5ドル。下の帯に、Sonnet 5.5はOpus 5.5の半額と書いた図 APIの単価(100万トークン) Opus 5.5 入力4ドル・出力20ドル Sonnet 5.5(Sonnet 5と同じ) 入力2ドル・出力10ドル Haiku 4.5 入力1ドル・出力5ドル Sonnet 5.5はOpus 5.5の半額 月額プランの料金は別で、変更なし AI Lab OISHI

使えるプランは、無料を含む全プランです。モデル紹介ページは「誰でも Claude.ai のウェブ・iOS・Android で Sonnet 5.5 と話せる」と書いています。一度に読める量(文脈)は100万トークン、知識の基準日は2026年6月です。

どのモデルが最初から選ばれているかは、使う場所で違います。Claude Code の公式ドキュメントでは、Claude Code の初期設定は Pro・Max・Team・Enterprise とも Opus 5.5 のままで、Sonnet 5.5 は自分で選びます(v2.1.284 以降が必要)。チャットのアプリで最初に選ばれるモデルが変わったかは、10月3日時点で公式の記載を確認できていないため、画面のモデル選択で確かめてください。Claude Code の始め方は入門記事にまとめています。

考える量の初期設定は、アプリと Claude Code が Medium、API が Highです。アプリでは、モデル選択のメニューから変えられます。考える量と結果の関係は考える量の設定の記事で詳しく説明しています。

性能の読み方:「Opusを上回った」の条件

海外の報道には「Sonnet 5.5 がコーディングで Opus 5.5 を上回った」という見出しもあります。根拠は、AIに作業を任せるコーディングの評価 Terminal-Bench 4.0 で、Sonnet 5.5 が70.6%、Opus 5.5 が66.4%だったことです。

ただ、発表ページのグラフの元データを見ると、条件に注意が要ります。Sonnet 5.5 の70.6%は考える量を最大(Max)にした値で、1タスクあたり約12.5ドルかかっています。Opus 5.5 の66.4%は Xhigh の値で、約7.4ドルです。注記によると、この Xhigh が Opus 5.5 の最高点でした。つまり最高点どうしでは Sonnet 5.5 が上ですが、Opus 5.5 の約1.7倍の費用をかけて出した記録です。いわば、順位は上でも燃料を多く使ったレースです。

発表ページの表で、Terminal-Bench 以外の7つの評価は、すべて Opus 5.5 が上です。たとえば44の職種の実務を測る GDPval-AA は Sonnet 5.5 が1844、Opus 5.5 が1846で、ほぼ並びます。パソコン操作の OSWorld は80.1%と81.8%です。公式の技術資料(システムカード)には、Sonnet 5.5 のほうが高い評価がほかにもあり(HealthBench Professional、AutomationBench、Terminal-Bench-Science など)、差はいずれも数ポイント以内です。公式自身も「判断が続く込み入った仕事では、Opus 5.5 のほうが明らかに強い」と書いています。

Terminal-Benchの数字の条件 Terminal-Bench 4.0で、Sonnet 5.5は70.6パーセントで、考える量が最大の設定、1タスク約12.5ドル。Opus 5.5は66.4パーセントで、Opusの最高点、1タスク約7.4ドル。下の帯に、最高点どうしでも費用はSonnetが約1.7倍で、発表ページの表のほかの7評価はすべてOpus 5.5が上と書いた図 「Opusを上回った」数字の条件 Sonnet 5.5 70.6% 考える量:最大 1タスク約12.5ドル Opus 5.5 66.4% Opusの最高点 1タスク約7.4ドル 最高点どうしでも費用は Sonnetが約1.7倍 発表ページの表のほかの7評価は すべてOpus 5.5が上 AI Lab OISHI

Opus 5.5との使い分け

公式の説明をもとにすると、使い分けは次のように整理できます。

向くモデル 仕事の例
Sonnet 5.5 メールや報告書の下書き、資料・スライド・表の作成、決まった形式への整理、小さな不具合の修正
Opus 5.5 何段にもわたる判断が要る調査、長く自律的に進める作業、正解が1つに決まらない企画や設計

Anthropic の発表の説明(得意なこと・但し書き)をもとに筆者が整理(2026年10月3日確認)。

会社の仕事にたとえるなら、Sonnet 5.5 は手が速く段取りのよい実務担当、Opus 5.5 は難しい判断を任せる経験豊富な担当です。全部をベテランに頼むと高くつき、全部を若手に任せると難しい案件でつまずきます。まず Sonnet 5.5 で試し、物足りない仕事だけ Opus 5.5 に回すのが、費用の面でも無理のない順番だと考えています。

考える量の調整も同じ考え方です。日常の文書なら初期設定の Medium で十分なことが多く、込み入った分析で結果が浅いと感じたら一段上げる、という使い方ができます。Anthropic の社内テストでは、決算資料からつくった10枚の業績レビューの初稿を、専門家2人が「そのまま送れる」と判断したそうです。ただし1件の社内テストなので、自社の資料で試してから判断するのが確実です。

Sonnet 5.5とOpus 5.5の使い分け Sonnet 5.5は、文書や資料の作成、決まった形式への整理、小さな修正に向き、単価はOpus 5.5の半分。Opus 5.5は、判断が続く調査、長い自律作業、正解が1つでない企画に向く。下の帯に、まずSonnet 5.5で試し、物足りない仕事だけOpus 5.5に回すと書いた図 Sonnet 5.5とOpus 5.5の使い分け Sonnet 5.5 文書・資料の作成 決まった形に整理 単価はOpusの半分 Opus 5.5 判断が続く調査 長い自律作業 正解が1つでない企画 まずSonnet 5.5で試し、 物足りない仕事だけOpus 5.5へ AI Lab OISHI

Copilotでの提供と、移行の注意点

Claude を直接契約していなくても、Sonnet 5.5 に触れる機会があります。Microsoft の9月30日の発表によると、Copilot Cowork と Copilot Studio では使った分だけ支払う形で当日から順次使えるようになりました。Word・Excel・PowerPoint・Chat では「翌週にかけて」段階的に、ライセンスの範囲内(上限あり)で展開されます。なお Copilot Cowork は Microsoft の製品で、Anthropic の Claude Cowork とは別物です。Copilot のモデル選択はCopilot の新機能の記事で整理しています。

GitHub Copilot では、9月28日に一般提供になりました。対象は Pro・Pro+・Max・Business・Enterprise で、使った分だけ定価で請求される使用量課金です。Business と Enterprise では、管理者が Copilot の設定で使えるかどうかを管理します(初期設定では新しいモデルは自動で有効)。課金の仕組みはGitHub Copilot の課金の記事をご覧ください。Amazon Web Services・Google Cloud・Microsoft Foundry でも発表日から使えます。

API でシステムを組んでいる会社は、提供終了の予定表を確認してください。Sonnet 5 は引き続き使え、提供終了は2027年6月30日より前にはなりません。終わるのはSonnet 4.5 で、Claude API では2026年11月30日に止まり、移行先として Sonnet 5.5 が勧められています。公式の移行ガイドでは、Sonnet 5 からの切り替えだけで互換性のない変更が5つあり、Sonnet 4.5 からはさらに増えます。外部の会社に組んでもらっている場合は、「モデル名を差し替えるだけで済むか」を確認しておくと安心です。

最後に安全面です。Sonnet 5.5 は、Sonnet で初めて上位モデルと同様のサイバー対策を備えました。攻撃につながる危険度の高い依頼は、会話の途中で Sonnet 5 に自動で切り替わるか、止められます。サポート記事によると、判定の対象は打ち込んだ文章だけでなく、メモリ・外部サービスとの連携・Web 検索の結果・ファイルも含みます。空港の保安検査にたとえると、手荷物だけでなく預けた荷物まで調べるのと同じで、社内のセキュリティ資料を読ませたときに、意図せず切り替わることもあるわけです。切り替わると通知が出て、答えたモデル名が表示されます。この種の対策の背景はGlasswing の記事で説明しています。

Sonnet 5.5で確認しておくこと Microsoft 365 CopilotのWordやExcelでは翌週にかけて段階的に提供。APIではSonnet 4.5が2026年11月30日に終了し、Sonnet 5は少なくとも2027年6月30日までは継続。危険度の高い依頼は会話の途中でSonnet 5に切り替わることがあり、判定はファイルや検索結果も対象。下の帯に、Sonnet 5は少なくとも2027年6月30日まで使えると書いた図 確認しておくこと Microsoft 365 Copilot Word・Excelは段階的に提供 APIで組んでいる場合 Sonnet 4.5は11月30日に終了 安全装置 途中でSonnet 5に切り替わることも Sonnet 5は少なくとも 2027年6月30日まで使える AI Lab OISHI

よくある質問

Claude Sonnet 5.5 とは何ですか。

Anthropic が米国時間2026年9月28日に発表した、Claude 5.5 世代の中位モデルです。料金は Sonnet 5 と同じまま、30%以上速くなり、1タスクの費用は最大30%下がりました(Anthropic のテスト)。

Sonnet 5.5 は無料プランでも使えますか。

使えます。モデル紹介ページは、誰でも Claude.ai のウェブ・iOS・Android で使えると書いています。

Sonnet 5.5 は Opus 5.5 より高性能ですか。

一律にはそう言えません。発表ページの評価表(8つ)で上回ったのは Terminal-Bench の1つだけで、それぞれの最高点どうしの比較では Sonnet 5.5 のほうが1タスクあたり約1.7倍の費用をかけていました。表のほかの7つは Opus 5.5 が上です。

月額プランの料金は下がりますか。

下がりません。安くなるのは、トークン課金で同じ仕事に使うトークンが減ることによる1タスクあたりの費用です。単価も Sonnet 5 と同じです。

Sonnet 5 は使えなくなりますか。

10月3日時点で現役で、提供終了は2027年6月30日より前にはなりません。終わるのは Sonnet 4.5(Claude API で2026年11月30日)です。

まとめ

1|料金そのまま、速く少ない手数で 単価は Sonnet 5 と同じで、30%以上速く、1タスクの費用は最大30%減(Anthropic のテスト)。月額プランの料金は変わりません。

2|無料を含む全プランで使える Claude Code の初期設定は Opus 5.5 のままです。考える量の初期設定はアプリが Medium です。

3|「Opus超え」は条件付き 発表ページの評価表で上回ったのは1つだけで、しかも Sonnet のほうが高くつく条件でした。込み入った仕事は Opus 5.5 が強いと公式も書いています。

4|まず Sonnet 5.5 で試し、難しい仕事を Opus 5.5 へ API で組んでいる会社は、Sonnet 4.5 の11月30日の終了に備えてください。軽量版の Haiku 5.5 は予告のみで、10月3日時点では未リリースです。

参照元・出典

本記事の内容は 2026年10月3日に確認した時点のものです。料金・初期設定・提供範囲は変わることがあるため、使う前に公式ページで最新の記載をご確認ください。

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