Copilotの新機能まとめ|WordでAnthropicのモデルが選べる・PowerPointが自動で作れる
「Copilotの中身は、結局ChatGPTでしょう」。Microsoft 365 Copilotの話題になると、こう受け取られることがよくあります。長いあいだ、その理解でおおむね間違いではありませんでした。ところが2026年8月11日に公開されたMicrosoft 365 Copilotのリリースノートには、こう書かれています。Wordで文書を編集するとき、従来のOpenAIのモデルに加えて、Anthropicのモデルを選べる——。
Anthropicは、ClaudeというAIを提供している会社です。つまりWordの中に「どの会社のAIに直してもらうか」を選ぶ場面が生まれた、ということになります。MicrosoftがAnthropicのモデルを自社のCopilotに組み込むこと自体は、2025年9月にResearcherやCopilot Studioで先に始まっていました。今回あたらしいのは、それがWordの日常の文書直しにまで降りてきたことです。
変わったのはそこだけではありません。7月下旬から8月にかけて、Office側のMicrosoft 365 Copilotと、開発者向けのGitHub Copilotの両方で、今日から手を動かせる機能がまとまって増えています。以下では、値段や管理者向けの統制の話は最後に短くまとめ、「何ができるようになったか」を先に並べます。根拠はMicrosoftとGitHubが公開しているリリースノート・変更履歴に書かれている範囲だけで、そこに書かれていないことは書きません。内容はすべて2026年8月22日時点の公開情報にもとづきます。
先に、3つだけ押さえます
1「Wordの直しはOpenAI一択ではなくなった」|ウェブ版のWordで文書を編集する場面で、Anthropicのモデルも選べるようになりました。同じ原稿に2社ぶんの赤字を入れて見比べられます。
2「PowerPointは、ファイルを開く前から作れる」|ウェブアプリのホーム画面から直接作成でき、ネット上の関連情報や社内の承認済み素材まで取り込めます。
3「開発の依頼は、SlackやTeamsからも出せる」|GitHub Copilotの作業をチャットの中で共有できるようになり、選べるAIも8月だけで複数増えました。
Wordの文章直しで、Anthropicのモデルを選べるようになった
まず、この記事でいちばん驚いた1件から。Microsoft 365 Copilotの公式リリースノートの8月11日公開分に、Wordで文書を編集する際、従来のOpenAIのモデルに加えてAnthropicのモデルを選択できる、という項目が並んでいます。
ここで注意しておきたいのが、リリースノートの書き方です。Microsoft 365 Copilotのリリースノートは一定期間の更新をまとめて公開する形式で、8月11日公開分は7月28日から8月11日までの更新をまとめたものです。そのため「この機能は何月何日に出た」と1日単位では言えません。この記事でも「8月11日公開のリリースノートで案内された」という書き方で統一します。
何が便利になるのか
実務でいちばん効くのは、同じ原稿に2社ぶんの赤字を入れて見比べられることです。同じ「この段落を三行に縮めて」という指示でも、返ってくる文の癖は違います。たとえるなら、1本の原稿を2人の校正者に同時に渡して、返ってきた赤字を並べて読むようなものです。どちらかを丸ごと採用してもいいですし、いいところだけを拾ってもかまいません。
大事な文面ほど、この使い方が効きます。取引先への謝罪文、募集要項、社内規程の改定案。一発で決めにくい文章は、二通りの直し方を見てから決めたほうが早く決まります。逆に、社内向けの連絡文のような軽い文章では、いちいち選び直す必要はありません。
ここで書かないでおくことも、はっきりさせておきます。どちらのモデルが優れているか、自社の契約でいつ使えるようになるか。これらはリリースノートに書かれていないため、この記事では判定しません。公式に書かれているのは「ウェブ版のWordで、Anthropicのモデルも選べるようになった」という一点です。
なお、なぜMicrosoftの製品にAnthropicのモデルが入るのか、という背景を知りたい場合は、MicrosoftとOpenAIの独占が終わったことを整理した記事で公表内容だけをまとめています。契約関係の解釈や先行きは、この記事では扱いません。Copilotそのものと他のAIの立ち位置の違いは、Copilot・Cowork・Claudeを並べた記事に整理してあります。
PowerPointが、ホーム画面からそのまま作れるようになった
8月11日公開のリリースノートには、PowerPointについて3つの項目が並んでいます。ウェブアプリのホーム画面から直接、資料を作成できること。オンライン上の関連情報を参照して資料を作れること。そして、Adobe Experience Manager上の社内素材を使って資料を作れることです。
1つ目は地味に見えて、実際に触ると効きます。これまでは新しいファイルを開いてからAIに頼む手順でしたが、ホーム画面から直接作れるということは、その前段が消えるということです。言い換えれば、料理の前に空の鍋を火にかけておく手間がなくなったようなものです。
2つ目の「オンライン上の関連情報を参照する」は、資料の中身に直結します。社外向けの説明資料には、業界の動きや一般的な数字を入れたい場面があります。手元のファイルだけを材料にしていると、その部分は毎回自分で調べて貼ることになっていました。ただし、参照して作られた内容をそのまま出すかどうかは別の判断です。数字や固有名詞は、最後に自分の目で確かめてください。
3つ目のAdobe Experience Managerは、画像やコピーをまとめて管理するための仕組みです。ここに置かれた素材を使えるということは、会社が承認した写真とロゴだけで資料が組み上がるということでもあります。担当者ごとに古いロゴが混ざる、という悩みが構造的に減ります。
2026年8月22日時点の公開情報にもとづきます。提供される契約・地域・時期は、公式に案内された範囲を超えて断定できません。
メールを書いている最中に、助言が出るようになった
Outlookには、メール作成のコーチングが加わりました。8月11日公開のリリースノートによれば、下書き・編集・書式設定をしている最中に、チャット経由で助言が出ます。そしてどの提案を採用するかを自分で選べます。
この「選べる」が実務では大きな違いを生みます。AIに文章を頼むとき、いちばん困るのは全文が別物になって返ってくることです。自分の言い回しを残したいのに、まるごと書き換えられてしまう。今回の形は、そこが違います。隣の席の先輩が画面をのぞきこんで「ここ、結論を先に出したほうが伝わるよ」と一言だけ言ってくれるような役割で、受け取るかどうかはこちらが決めます。
あわせて、Windowsのクラシック版Outlookでも会議の事前準備が使えるようになりました。リアルタイムの情報と要約が出るという記載です。新しいOutlookへの移行が済んでいない環境でも使える点が、実際のところでは効きます。
7月29日公開のリリースノートにも、日々の細かい手間を減らす項目が並んでいます。回答の中にファイルや会議から関連画像がそのまま表示されること。送受信した添付ファイルを一覧できること。OneDriveのファイルプレビューにCopilotの浮動アイコンが出て、文脈に応じたプロンプト付きで呼び出せること。どれも探しものの時間を削るタイプの改善です。
もうひとつ、予定づくりの側ではPlanner Agentが基本プランでも使えるようになりました。Microsoft 365 Copilotのライセンスを持っている人に対して、グループベースのPlannerプラン全般で提供される、という記載です。
社内の情報を、AIが探せる形で持てるようになった
社内のAIが役に立つかどうかは、モデルの賢さより「正しい情報がどこにあるか」をAIが知っているかで決まります。
「これが正本です」の札を貼れるようになった
8月11日公開のリリースノートに、SharePointの「公式サイト(Authoritative Sites)」という項目があります。管理者が特定のSharePointサイトを公式で信頼できる情報源として指定でき、社内ニュースや規程などの質の高いコンテンツがCopilot Searchで優先される、という内容です。
社内の本棚に「これが正本です」という札を貼るようなものだと考えると、効き方が想像しやすくなります。同じ規程の古い版と新しい版が別々のフォルダに眠っていて、検索するとどちらも出てくる。人間なら日付を見て新しいほうを選べますが、AIは並んでいれば両方を材料にしてしまいます。優先順位をあらかじめ決めておけるのは、そこへの直接の答えです。
あわせて、コネクタのコンテンツクロールとIDクロールを並列で実行するようになり、セキュリティを損なわずに情報の鮮度と可用性が向上した、と記載されています。クロールというのは、外部サービスの中身をCopilotが読み取れる形に取り込む作業のことです。いわば、倉庫の棚卸しで「品物を数える係」と「入館証を確認する係」が同時に動くようになった状態で、そのぶん取り込みが早く終わります。ServiceNowやBox、Salesforceといった社外サービスの内容が回答に反映されるまでの待ち時間が短くなる、という話です。
表で管理してきた台帳が、そのまま知識源になる
7月29日公開のリリースノートには、社内データの扱いに関する項目が3つ並んでいます。
| できるようになったこと | 公式に書かれている内容 | 現場での使いどころ |
|---|---|---|
| 画面を撮って、そのまま聞く | Copilotに内蔵されたスクリーンショット取得で、画面を撮ってそのままプロンプトに添えられる | エラー画面や見慣れない帳票を、説明せずに丸ごと見せて質問できる |
| SharePointリストを根拠にする | Context IQで、Copilot Chatのプロンプトの根拠にSharePointリストを選べる | 案件一覧・備品台帳など、表で管理しているものを名指しで参照させる |
| 最大2万件を知識源にする | Agent BuilderがSharePointリストを知識源にできる。1つのリストで最大20,000件まで | 問い合わせ履歴やFAQ集を読み込ませ、社内向けの受け答え役を作る |
2026年8月22日時点の公開情報(7月29日公開のMicrosoft 365 Copilotリリースノート)にもとづきます。
3つ目の「1つのリストで最大20,000件」という数字は、想像より大きい枠です。数十人規模の会社で3年ぶんの問い合わせ履歴を貯めても、この枠に収まることがほとんどでしょう。公式リリースノートに書かれているのは上限の数字だけですが、上限が示されている以上、そこまでは想定された使い方だということでもあります。
あわせて、ServiceNowのKnowledge・Catalogコネクタが役割ベースの権限を反映するようになりました。社内システムをつないだときの「誰にでも全部見えてしまう」という不安は、この種の作り込みで一段ずつ潰されていきます。とはいえ、社内データを外部サービスに預けるときの確認事項は別にあります。設定の確かめ方はその設定、本当に学習に使われていませんかの記事に手順としてまとめてあります。
GitHub Copilotへの依頼を、SlackやTeamsから出せるようになった
ここからは開発者向けのGitHub Copilotの話です。社内でシステムを作ってもらっている会社にとっては他人事ではありません。GitHubの公式変更履歴を見ると、8月は依頼を出せる場所と選べるAIの両方が増えた月でした。GitHub側の変更履歴は各項目に掲載日が付いているため、以下は掲載日で書きます。
8月21日には、Slackでの新しいGitHub Copilot体験と、Microsoft TeamsでGitHub Copilotのエージェント作業を共有できる機能が掲載されました。開発の相談が動いているのはたいていチャットの中ですから、そこから直接依頼を出して結果を共有できるのは動線としてまっすぐです。工事の依頼を、現場まで足を運ばずに受付窓口から出せるようになったようなものだと考えると分かりやすいでしょう。
8月12日にはAgent Plugins 1.0が掲載されました。VS Code・Copilot CLI・Copilotアプリを横断して提供される、という記載です。同じ拡張の仕組みが、どの入口から入っても使えます。
選べるAIが、1か月で4つ増えた
GitHub Copilotの側でも、選択肢が並びました。8月6日にKimi K3、8月11日にMAI-Code-1.1-Flash(あわせて、MAI-Code-1-Flash を9月10日に取りやめると予告されました)、8月13日にGemini 3.7 Flash、8月14日にGrok 4.6が掲載されています。JetBrains系のIDE向けには、8月11日にCopilotのメモリとOllama対応が加わりました。
工具箱にドライバーが増えたような話で、増えたこと自体が直接の成果ではありません。ただ、社内の開発をベンダーに任せている会社にとっては、話が違ってきます。「うちのコードはどのAIに渡っているのか」という質問に、以前より具体的な答えが返ってくるはずだからです。3社のAIの性格の違いはGemini・Claude・GPTを並べた記事にまとめてあります。
8月11日には、利用状況レポートにモデル別のトークン内訳が掲載されました。どのAIにどれだけ処理させたかが分かれる形です。使った量に応じた課金の仕組みそのものはGitHub Copilotの従量課金を整理した記事で扱っています。
ほかに、8月3日には推論レベルのカスタマイズと企業向けチームの専門化、8月7日にはインパクトダッシュボードのROI指標とコードレビューのeffort設定の一般提供、8月10日にはウェブ版での会話の制御項目の拡充が掲載されています。
⚠️ 8月4日で止まったもの、8月31日が期限のもの
提供終了:Copilot Billing Preview アプリ / 新規受付を停止:github.com 上の GitHub Spark(書き出しは8月31日まで)
この2つは扱いが違います。Copilot Billing Preview アプリは2026年8月4日付で提供終了と掲載されています。GitHub Spark のほうは同じ8月4日から新規の受け入れと新しいアプリの作成を停止した一方で、すでに使っている人は2026年8月31日まで利用でき、その間に作成済みのアプリを書き出せると案内されています。心当たりがあれば、8月31日までに書き出しを済ませてください。書き出しは、対象アプリのSparkの作業画面を開き、「…」を選んでから「Create repository」を選ぶ、と案内されています。あわせて、社内の手順書やマニュアルにこれらの名前が書かれていないかを検索し、書かれていれば現在の手順に差し替えます。
終了の告知は、新機能に比べてどうしても目立ちません。変更履歴の中に1行で並ぶだけで、気づかないまま手順書だけが古い状態で残ります。次に説明する「今日から試せる順番」の3番目に、この見直しを入れてあります。
今日から試せる順番
ここまでで出てきた機能を、手をつける順に並べ直します。上から順に、時間のかからないものからです。
1. ウェブ版のWordを開いて、直しを頼む画面を見る
手持ちの文書を1つ開き、いつもどおり「この段落を短くして」と頼みます。そのときにモデルを選ぶ場所があるかどうかを見るだけで済みます。出てくれば、そのまま両方を試して読み比べてください。リリースノートにはウェブ版と明記されているので、デスクトップ版のWordで見当たらなくても不具合ではありません。ウェブ版でも出てこない場合は、順に広がるのを待つ場面があります。
2. PowerPointをウェブ版のホームから1本作らせる
次に作る予定の資料を、ウェブ版のホーム画面から頼んでみます。ここで確かめたいのは、出来上がりの完成度よりどこまでを任せてどこから自分でやるかの線です。構成だけ作らせる形に落ち着く会社もあれば、下書きを丸ごと出させてから削る会社もあります。1本試すと、その線が見えます。
3. 社内の「正本」を1つ決めて、指定を頼む
3つ目だけは、社内の話し合いが先です。就業規則でも、価格表でも、最新の会社案内でもかまいません。「これが正本」と言い切れるものを1つ選び、それがどこに置かれているかを確認します。そのうえで管理者に公式サイトの指定を頼みます。設定そのものは一度で終わりますが、決めるところに時間がかかります。
この機会に、社内の手順書に古い名前が残っていないかも見ておいてください。すでに使っているツールの棚卸しから始めたい場合は、Microsoft 365やGoogle Workspaceに最初から入っているものを整理した記事が出発点になります。
知っておきたい変更点
ここからは、日々の作業ではなく管理・費用の側に効く更新です。担当している方だけ読めば足ります。
- Viva Insightsの消費ダッシュボード(8月11日公開のリリースノート)——AIサービスを横断してCopilotクレジットの使用量を追跡し、予算の情報を提供します
- MCPの許可リスト(8月6日掲載の変更履歴)——GitHub Copilotが外部の道具につながる際に、許可したものだけに絞る仕組みです
- JetBrains系IDE向けの企業管理設定(8月18日掲載)——組織として設定を統一できます
- SharePoint Copilotでのソリューション設計(7月29日公開)——自然言語の指示でSharePointのソリューションを作れます
費用の見える化は、導入した後になって効いてきます。ただ、これは今日の仕事を軽くする話ではなく、来期の判断材料をそろえる話です。順番としては、現場が便利さを実感してからで間に合います。
私たちの見解|選べるようになった側の負担も増える
1つ目は、「選べる」は便利さであると同時に、決める仕事が増えるということです。Wordでモデルを選べるようになったということは、これまで考えなくてよかった問いが1つ増えたということでもあります。全員が毎回悩むのは無駄なので、社内で「基本はこちら、大事な文面のときだけ両方」といった目安を決めておくほうが早く回ります。決めるのは1回、使うのは毎日です。
2つ目は、8月の更新でいちばん実入りが大きいのは、派手さのない社内情報まわりだということです。社内でAIが的外れな答えを返す原因の多くは、モデルの能力ではなく参照している情報が古いか、そもそも見えていないことにあります。そこに効く道具が同じ月に複数出たのは、偶然ではないでしょう。
3つ目は、今日は触らなくていい機能をはっきりさせることも同じくらい大事だということです。並んだ機能を全部試そうとすると、それだけで一日が終わります。どのAIをどの業務に当てるかという全体の設計は、中小企業のAIツール選びを3軸で整理した記事に置いてあります。無料相談では、いま社内で使っているOffice製品の状況をうかがったうえで、どこから手をつけるかを一緒に決めています。
まとめ
- Word:8月11日公開のリリースノートで、文書を編集する際に従来のOpenAIのモデルに加えてAnthropicのモデルを選べる、と案内されました
- PowerPoint:ウェブアプリのホーム画面から直接作成でき、オンライン上の関連情報や、Adobe Experience Manager上の社内素材を使って資料を作れます
- Outlook:下書き・編集・書式設定をしている最中にチャット経由で助言が出て、どの提案を採用するかを選べます。Windowsのクラシック版でも会議の事前準備が使えます
- 社内情報:管理者がSharePointの「公式サイト」を指定でき、Copilot Searchで優先されます。Agent BuilderはSharePointリストを1つ最大20,000件まで知識源にできます
- GitHub Copilot:8月21日掲載でSlackとMicrosoft Teamsから依頼を共有でき、8月12日掲載のAgent Plugins 1.0でVS Code・CLI・アプリを横断します
- 選べるAI:Kimi K3、MAI-Code-1.1-Flash、Gemini 3.7 Flash、Grok 4.6が8月に加わりました
- ⚠️ 期限あり:Copilot Billing Preview アプリは2026年8月4日付で提供終了。GitHub Spark は同日から新規受付を停止し、作成済みアプリの書き出しは2026年8月31日までと案内されています
- 手順:Wordで選択肢を見る、PowerPointを1本作らせる、社内の「正本」を1つ決める。この順で足ります
8月の更新を通して見ると、方向は1つに揃っています。どのAIに頼むかを使う側が選べるようにして、参照させる情報を会社の側で決められるようにする。どちらも、AIそのものを賢くする話ではなく、使う側の裁量を広げる話です。裁量が広がるということは、決めることが増えるということでもあります。決めるのは一度で済ませて、あとは現場が迷わない状態にしておくのが、いちばん効きます。
よくある質問
Q1. WordでAnthropicのモデルを選べるというのは、CopilotがChatGPTではなくなったということですか?
そうではありません。2026年8月11日公開のMicrosoft 365 Copilotのリリースノートに書かれているのは、Wordで文書を編集する際に、従来のOpenAIのモデルに加えてAnthropicのモデルを選択できる、という内容です。従来のモデルが置き換わったのではなく、選択肢が増えたという記載です。どちらが優れているかについては公式に書かれておらず、この記事でも判定しません。実務としては、大事な文面のときだけ両方に直させて読み比べる、という使い方が現実的です。なお、Microsoft と OpenAI の契約関係そのものについては、別の記事で公表内容を整理しています。
Q2. 自分のWordにはまだモデルを選ぶ画面が出てきません。設定が必要ですか?
Microsoft 365 Copilot のリリースノートは、一定期間の更新をまとめて公開する形式です。そこに載っているのは「こういう更新があった」という事実で、どの契約にいつ届くかまでは、機能ごとに細かく書かれているわけではありません。ただしこの機能については、対象がウェブ版のWordだと明記されています。したがって確認の順番としては、まずウェブ版のWordで開いてみる、というのが先になります。デスクトップ版のWordで見当たらなくても、不具合ではありません。それでもウェブ版で出てこない場合は、組織で管理されている環境であれば管理者に展開状況を聞き、あとは順に広がるのを待つことになります。
Q3. SharePointの「公式サイト」を指定すると、何がどう変わりますか?
2026年8月11日公開のリリースノートによれば、管理者が特定のSharePointサイトを公式で信頼できる情報源として指定でき、社内ニュースや規程などの質の高いコンテンツがCopilot Searchで優先される、とされています。ポイントは、指定できるのが管理者だという点です。現場の担当者が個別に設定するものではないため、社内で「どこが正本か」を決める話し合いが先に必要になります。逆に言えば、その決定さえ済んでいれば設定自体は一度で終わります。古い規程と新しい規程が両方ヒットして現場が混乱している会社ほど、効果が分かりやすい機能です。
Q4. GitHub Sparkが終わったと聞きました。何をしておけばいいですか?
GitHubの変更履歴には、2026年8月4日から GitHub Spark が新規の利用者受け入れと新しいアプリの作成を停止したと掲載されています。ただし終わりきってはいません。すでに使っている人は2026年8月31日まで引き続き利用でき、その間に作成済みのアプリを書き出せると案内されています。つまりこの記事が出る時点では、まだ数日の猶予が残っています。使っていた場合にまずやることは、8月31日までに作成済みのアプリを書き出しておくことです。次に、社内の手順書やマニュアルにその名前が書かれていないかを検索し、書かれていれば現在の手順に差し替えます。なお同じ8月4日付で、Copilot Billing Preview アプリのほうは提供終了と掲載されています。
参照元・出典
本記事は2026年8月22日に確認した、MicrosoftとGitHubの公式ページの記載にもとづきます。対象期間は2026年7月20日から8月22日まで。Microsoft 365 Copilotのリリースノートは期間まとめ形式のため、個別機能に日付を割り当てず公開日で記載し、GitHub Copilotの変更履歴は各項目の掲載日をそのまま記載しました。
- Microsoft 365 Copilot release notes(Microsoft Learn 公式)——8月11日公開分(対象期間 7月28日〜8月11日)と7月29日公開分(対象期間 7月15日〜7月29日)。本記事のOffice側の記述は、この2回分に書かれている範囲だけにもとづきます
- GitHub Changelog(Copilot ラベル・GitHub 公式)——8月3日から8月21日までに掲載された各エントリ。本記事の開発側の記述は、この範囲に書かれている範囲だけにもとづきます