2026.08.18 · 19分で読める

AIを新しく契約する前に|Microsoft 365・Google Workspaceに最初から入っているもの

10人の会社が「そろそろAIを」と考えて、Microsoft 365 Copilot Business のアドオンを10人分申し込んだとします。通常価格は1ユーザーあたり月額3,148円(年払い・税抜)。12か月で37,776円、10人分では年間377,760円になります。ところが、同じ Microsoft の日本語公式ページには、こう書かれた脚注が付いています——「対象の Microsoft 365 サブスクリプションをお持ちのすべての Microsoft Entra ID ユーザーは、追加料金なしで Copilot Chat を利用できます」。

Microsoft Entra ID は、法人向けサービスで社員のアカウントを管理する仕組みの名称です。会社が社員一人ひとりに配る社員証のようなものと考えると、位置づけがつかみやすくなります。つまり、会社として対象プランを契約していれば、AIチャット自体は追加の契約なしで社員が使える、と公式が書いていることになります。もちろん、追加料金なしの範囲と有償の範囲は同じではありません。

この記事は、2026年8月16日に確認した Microsoft と Google の日本語公式ページだけを土台に、「新しく契約する」の前に「いま払っているものに何が入っているか」を確かめる順番を整理したものです。3社を横に並べる比較は扱いません。その話は中小企業のAIツール選びの3軸を整理した記事にまとめてあります。

先に、3つの問いに短く答えます

問1「AI用の契約を足す必要があるか」|確認が先です。Microsoft は対象プランの利用者が追加料金なしで Copilot Chat を使えると脚注に明記し、Google は Gemini を各プランの機能として料金ページに掲載しています。

問2「それで全部まかなえるのか」|まかなえない部分があります。Word や Excel の中で自社データに基づいて動く Copilot は有償側、Google の Business Starter は資料作成アプリの Gemini が対象外です。

問3「では何から見るか」|管理画面でプランの正式名称を見るところからです。プラン名そのものが変わっています。

10人・1年で、いくら変わるのかを先に置きます

金額から入ります。Microsoft の公式ページの数字だけを使い、10人の会社で1年分を計算したものが次の図です。使うのは通常価格で、割引価格に付く条件は後半で扱います。片方は「AI用のアドオンを人数分足す」道、もう片方は「対象プランに含まれる Copilot Chat を使う」道です。

10人で1年分を比べた場合の金額と、中身の違い Microsoft 365 Copilot Business のアドオンを10人分追加した場合の年額377,760円と、対象サブスクリプションに含まれる Copilot Chat を使う場合の追加料金ゼロを並べた比較図。左右は同じ種類のAIではなく、有償側は Word や Excel の中で自社データに基づいて動くAI、追加料金なしの側は Web の情報をもとに文章を作るAIであり、金額の差ではなくできることの差であることを示している 10人・1年で、いくら変わるか 金額の差ではなく、できることの差 左と右は、同じ種類の AI ではありません アドオンを10人分追加 ¥377,760 ¥3,148 × 12か月 × 10人 Word や Excel の中で動き 自社データに基づく AI Copilot Chat を使う ¥0 追加料金なしと公式に明記 Web の情報をもとに 文章を作る AI ¥0 は、対象プランを契約していることが前提です 値段だけで右に寄せると、要る機能が使えません 2026年8月16日時点の公開情報(いずれも税抜・年払いの通常価格) AI Lab OISHI

大事なのは、左と右が同じものではないという点です。年間37万円が浮く、という単純な話ではありません。片方は「Webを調べて文章を作るAI」、もう片方は「WordやExcelの中で自社の資料を読んで動くAI」で、種類が違います。値段だけを見て右に寄せると、期待した機能が使えず、あとから買い直すことになります。

それでも先に金額を置いたのは、確認の順番を変えるためです。多くの会社は「AIを入れるといくらか」から検討を始めます。その前に「いま払っているものに何が入っているか」を見ておかないと、同じ機能に二度払う可能性が残ります。保険の重複契約に相当します。

Microsoft 365 は、プランの売り方そのものが変わっていました

ここが、この記事でいちばん先に伝えたい事実です。2026年8月16日時点のMicrosoft 365 法人向けプランの日本語比較ページを開くと、プラン名そのものが次のようになっています。

言い換えると、上位2つのプランはCopilot が最初から込みの商品として売られているということです。たとえるなら、定食にデザートが最初から付いて、単品のケーキを別に注文する必要がなくなった状態です。社内の理解が「AIはオプション」のままだと、すでに付いているデザートに気づかず、隣の売店でケーキを買ってしまいます。

Microsoft 365 の法人向けプランとAI機能の関係 Business Basic、Business Standard、Business Premium の3プランについて、年払いの月額、追加料金なしで使える Copilot Chat、アプリの中で動く Copilot、調査・分析向けの推論AIと用意済みのエージェント、エージェントの実行の5項目を並べたマトリクス。いま売られている現行のプラン名では Standard と Premium が Copilot Business を含むため、アプリ内の Copilot が最初から含まれること、契約した時期によって手元の契約は異なること、およびエージェントの実行はどのプランでも Azure の契約と従量課金が必要であることを示している Microsoft 365 のプランと AI の関係 いま売られている Standard と Premium は、プラン名に Copilot Business が入っています 項目 Basic Standard Premium 月額(年払い・税抜) ¥1,049 ¥3,523 ¥4,797 Copilot Chat 追加料金なし 追加料金なし 追加料金なし アプリの中の Copilot アドオン 含まれる※ 含まれる※ 調査・分析向けの推論AI 用意済みのエージェント アドオン 含まれる※ 含まれる※ エージェントの実行 Azure 従量課金 Azure 従量課金 Azure 従量課金 ※「含まれる」は、いま売られている現行のプラン名での話です。契約した時期によって手元の契約は変わります エージェントの実行には Azure(Microsoft のクラウド)の契約が必要で、使用量に応じて課金されます 2026年8月16日時点の公開情報(日本語公式ページ) AI Lab OISHI

価格は次のとおりです。いずれも「価格には消費税は含まれていません」と明記された税抜表示です。

プラン名(公式ページの表記) 年払い 月間契約
Microsoft 365 Business Premium と Microsoft 365 Copilot Business ¥4,797 ¥5,756
Microsoft 365 Business Standard と Microsoft 365 Copilot Business ¥3,523 ¥4,228
Microsoft 365 Business Basic ¥1,049 記載を確認できず
Microsoft 365 Apps for business ¥1,499 記載を確認できず
Business Standard(Teams なし)と Copilot Business ¥3,041 ¥3,649
Business Premium(Teams なし)と Copilot Business ¥4,316 ¥5,179

2026年8月16日時点の公開情報(Microsoft 日本語公式ページ/1ユーザーあたり月額・税抜)。

正直に書いておきます。Copilot を含まない「Business Standard 単体」「Business Premium 単体」の日本円価格は、上記の公式ページ上に表示されていませんでした。「Copilot の分でいくら上がったか」を差額で語ることはできません。

「追加料金なし」と公式が書いている範囲はどこまでか

核心の一文は、比較ページの脚注にあります。原文はこうです——「対象の Microsoft 365 サブスクリプションをお持ちのすべての Microsoft Entra ID ユーザーは、追加料金なしで Copilot Chat を利用できます。エージェントを使用するには Azure サブスクリプションが必要であり、使用量に応じて課金されます。提供状況は市場やライセンスにより異なる場合があります」。

読み取れることは3つあります。第一に、AIチャットは追加契約なしで使えると公式が書いています。この脚注は、いちばん安い Business Basic の AI チャットの記載にも付いており、安いプランでも対象から外れていません。第二に、エージェント(作業を任せる形のAI)は別枠で、Azure の契約と従量課金が必要だと同じ脚注にあります。第三に、地域やライセンスによって提供状況が違う可能性がある、と留保が付いています。

比較表のAI行には「Microsoft 365 Copilot Chat で利用できる、最新の Web 情報、作文アシスタンス、データ分析を提供する AI チャット」とあります。一方、Microsoft 365 Copilot Business の日本語ページで有償側のハイライトとして挙げられているのは、次の要素です。

追加料金なしで使える範囲と、有償プランに含まれる範囲 左側に追加料金なしで使える Copilot Chat の範囲として、最新の Web 情報をもとにした回答、文章作成の手助け、データ分析、エージェントの実行は従量課金の4項目。右側に有償プランに含まれる範囲として、Word や Excel などアプリの中で動く、自社の業務データに基づく回答、調査と分析向けの推論AI、利用状況の測定とモデル選択、Microsoft が用意したエージェントの5項目を並べた対比図 追加料金なしの範囲と、有償の範囲 追加料金なしで使える 有償プランに含まれる 最新の Web 情報をもとに回答 文章の作成の手助け データ分析 エージェントの実行は従量課金 Word や Excel の中で動く 自社の業務データに基づく 調査・分析向けの推論 AI 利用状況の測定とモデル選択 Microsoft が用意したエージェント どちらが安いかではなく、どちらが要るか Web を調べたいのか、社内の資料を扱いたいのかで分かれる 2026年8月16日時点の公開情報(日本語公式ページ) AI Lab OISHI

この線引きは、いわば受付の相談窓口と、経理室に入って帳簿を見る担当者の違いです。窓口は一般的な情報をよく知っていて質問に答えてくれますが、社内の帳簿は見ません。帳簿を見て答えてほしいなら、部屋に入れる権限を持った担当者が要ります。

だから、社内の要望を1行で書き出す意味が出てきます。「AIを入れたい」ではなく、「見積書の下書きを、過去の見積を参照して作りたい」なのか、「業界の動向を調べて要約したい」なのか。前者は有償側、後者は追加料金なしの範囲で足りる可能性があります。無料の範囲でどこまで実務が回るかは、無料枠だけで仕事を進める使い方をまとめた記事も判断材料になります。

2,698円という数字に付いている3つの条件

Copilot のアドオンを調べると、「¥3,148」に取り消し線が引かれ「¥2,698」と表示されます。この数字だけを見積書に転記すると、2年目にずれが出ます。公式ページの脚注に、次の条件がそろって書かれているためです。

公式脚注に書かれている条件(原文の要点)

・この割引キャンペーンは、2026年7月1日から2026年9月30日まで利用できます

年間契約が必要で、プロモーション価格は初年度にのみ適用されます

・対象のビジネスプランを利用している既存の Microsoft 365 顧客のみが利用できます

・試用版サブスクリプションでは利用できません

したがって、10人で2年分を試算するなら、初年度と2年目を分けて計算する必要があります。通常価格は1ユーザーあたり月額3,148円(年払い・税抜)、月間契約なら3,778円です。キャンペーン価格が2年目以降も続く前提で予算を組むと、翌年の請求で差が出ます。スーパーの特売シールのようなもので、値札の下の小さな文字に「本日限り」と書いてあるかを見る作業です。

公式ページには「Microsoft 365 Copilot Business を購入するには、Microsoft 365 Business プランが必要です」「最大 300 ユーザーまで」と書かれています。単体では買えず、上限人数もある、ということです。

個人向けプランを社内で使い回す想定は、公式の記載と合いません

個人向けの Microsoft 365 Personal は年額21,300円、Family は年額27,400円、Premium は年額32,000円で、いずれも Copilot が同梱されると個人向けの比較ページに記載されています(2026年8月16日時点)。金額だけを見ると割安に映ります。

ただし同じページの脚注1には「AI 機能はサブスクリプションの所有者のみが利用でき、他者と共有できません。利用制限が適用されます」とあり、Family の説明にも「AI はサブスクリプション所有者のみが使用可能」と書かれています。1契約を社内で分け合ってAIを使う設計は、公式の記載と噛み合いません。なお「利用制限」の具体的な回数は、当該ページに数値としては記載されていませんでした。

Google Workspace は Gemini がプランの機能として書かれています

Google 側は書き方が異なります。Google Workspace の日本語料金ページを2026年8月16日時点で確認すると、Gemini は各プランの機能として比較表に直接掲載されており、Gemini 単体を買い足すアドオンは「個別に購入可能なアドオン」の一覧に見当たりません。Business Starter のハイライトには「Gmail の Gemini AI アシスタント」、Business Standard には「Gmail、Google ドキュメント、Google Meet などの Gemini AI アシスタント」と書かれています。

Microsoft は脚注に「追加料金なし」という直接の表現がありますが、Google 側の日本語ページにその表現は見当たりませんでした。裏づけになるのは、Gemini が各プランの機能として掲載されている現在の記載そのものです。

価格は次のとおりです。ページ上部には「年間プラン(1 年契約なら 16% お得)」「すべてのプランは月単位で請求され、料金の単位はすべて ¥JPY です」と表示されています。

プラン 年間プランの通常価格 AIまわりの位置づけ
Business Starter ¥800 アプリ内の Gemini は Gmail と Google Vids(動画作成)のみ
Business Standard ¥1,600 ドキュメント・スプレッドシート・スライド・ドライブ・Meet・Chat の Gemini が利用可
Business Plus ¥2,500 比較表のAI項目は Standard と同じ内容が並ぶ
Enterprise お問い合わせ 公開価格なし。ユーザー数の上限・下限は無いと明記(他の3プランは最大300ユーザーまで)

2026年8月16日時点の公開情報(Google Workspace 日本語料金ページ/1ユーザーあたり月額)。同ページには「税」「VAT」の語が一度も出てこないため、税抜か税込かは本記事では断定しません。月間プランは Business Standard の¥1,900のみ確認でき、Starter と Plus は確認できませんでした。

期間限定の割引について、料金ページ上のバナーと脚注では条件の書き方が一本化されていませんでした。そのため、本記事では割引後の金額を使いません。申し込み前に、割引の対象・期間・対象ユーザー数を脚注まで読んで確認してください。

Starter で止まると、アプリの中の Gemini は Gmail と Vids だけ

ここが Google 側でいちばん実務に効く差です。料金ページの機能比較表を項目単位で読むと、Business Starter の扱いは次のようになっています。

Google Workspace のプランと Gemini の対応範囲 Business Starter、Business Standard、Business Plus の3プランについて、年間プランの月額、Gmail の Gemini、ドキュメントとスプレッドシートとスライド、ドライブとMeetとChat、最も高性能なAIモデル、Gemini Notebook の音声解説の6項目を並べたマトリクス。Starter は Gmail 以外の業務アプリの Gemini が対象外であることを示している Google Workspace と Gemini の対応 Starter は、Gmail 以外の業務アプリの Gemini が対象外 項目 Starter Standard Plus 月額(年間プラン) ¥800 ¥1,600 ¥2,500 Gmail の Gemini 利用可 利用可 利用可 ドキュメント・表計算・スライド 対象外 利用可 利用可 ドライブ・Meet・Chat 対象外 利用可 利用可 最も高性能な AI モデル 対象外 利用可 利用可 Notebook の音声解説 1日3件まで 1日20件まで 1日20件まで 2026年8月16日時点の公開情報(日本語料金ページ) AI Lab OISHI

この表の意味するところは明快です。「Workspace を契約しているから、どのアプリでも Gemini が使えるはず」という理解は、Starter では成り立ちません。資料作成や表計算でAIを使いたいなら、Business Standard 以上が実質的な入口になります。たとえるなら、社員食堂の券は持っているけれど、その券で使えるのは飲み物のコーナーだけ、という状態です。

かつて NotebookLM の名で知られていた、調べものを支える機能は、料金ページ上では「Gemini Notebook」として掲載されています。全プランに載っていますが、Starter は「基本的なアクセス」、Standard 以上は「より広いアクセス」と区別されています。

なお Google 側には「AI 拡張アクセス(AI Expanded Access)」というアドオンがあります。対象は Business Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus と公式のヘルプページにありますが、日本円の価格は掲載されていませんでしたので、金額は書けません。

二重に払いやすい4つの場面

ここまでの事実を、実務で起きやすい形に並べ替えます。どれも「誰かが手を抜いた」から起きるのではなく、契約した時期と、社内で共有されている理解がずれていることから起きます。

場面1|バンドルに入っているのに、アドオンを足す

Business Standard と Business Premium は、現在の公式ページでは Copilot Business が組み込まれた名称で売られています。契約した時期によって手元の契約がどの形かは変わるため、請求書に「と Microsoft 365 Copilot Business」と書いてあるかどうかを見るのが、いちばん早い確認方法です。

場面2|目的はチャットなのに、有償のアプリ内 Copilot を買う

「調べものと文章の下書き」が主な用途なら、対象サブスクリプションの利用者は追加料金なしで Copilot Chat を使えると公式が書いています。逆に、Word や Excel の中で自社の資料を読ませたいなら、有償側でなければ機能そのものが違います。買う前に、やりたいことを1行にする。

場面3|Workspace に含まれているのに、別のAIを人数分契約する

Google Workspace の Standard 以上なら、ドキュメント・スプレッドシート・ドライブ・Meet・Chat の Gemini が使えると料金ページに書かれています。知らずに別の契約を人数分足すと、機能が重なります。ただしStarter のままだと逆の失敗、つまり「入っていると思って使えない」が起きます。

場面4|個人向けプランを、社内の人数分の代わりに使う

個人向けの Personal や Family は、金額だけを見ると安く映ります。しかし公式脚注には「AI 機能はサブスクリプションの所有者のみが利用でき、他者と共有できません」と書かれています。安いという理由だけで法人の用途に個人向けを当てると、記載されている使い方と食い違います。社内のAIの使い方の決め方は、生成AIの社内ガイドラインの作り方が参考になります。

契約を増やす前の5つの確認

ここまでを、順番に実行できる形に落とします。多くは管理画面と紙1枚で終わります。

契約を増やす前の5つの確認 請求書か管理画面で、いま契約しているプランの正式名称を確認する、やりたいことを1行で書く、使う人数を決める、価格の条件を脚注まで読む、既存の契約と追加する契約の重なりを1枚に並べる、という5つの確認手順を順番に並べたチェックリスト図 契約を増やす前の5つの確認 1 請求書か管理画面で、いま契約しているプランの正式名称を確認する 2 やりたいことを1行で書く(調べる/社内資料を扱う) 3 使う人数を決める(全員か、一部の部署か) 4 価格の条件を脚注まで読む(期間・年間契約・初年度) 5 既存の契約と追加する契約の重なりを1枚に並べる 1番を飛ばすと、残りの4つは全部やり直しになります AI Lab OISHI

1番が最優先です。Microsoft 365 も Google Workspace も、管理画面でサブスクリプションの一覧を開けば契約中の商品名が出ます。管理画面を開くには管理者の権限が要る場合があります。入れないときは請求書のプラン名で確かめられます。ここに「Copilot Business」や「Business Standard」といった文字が入っているかどうかで、次の判断が変わります。健康診断の結果票を見てから薬を選ぶ、と考えると順番が分かりやすくなります。

2番の1行が書けないままだと、見積を取っても比較になりません。4番は、金額の下に付いた条件を読む工程です。5番で社外のAIサービスと突き合わせる際、扱うデータの種類が絡むなら、契約先の安全性の見方も要ります。観点はAIベンダーのセキュリティを見極める設計に、社内に判断できる人がいない段階の進め方はAI導入パートナーの選び方に整理してあります。

私たちの見解|入っているものを使い切るのが先

3点だけ書きます。

1つ目は、AIの契約は「増やす前に棚卸し」だということ。Microsoft の法人向けプランは、名称そのものが Copilot 込みのバンドルに変わっていました。売り方が変わっているのに社内の理解が去年のままだと、判断の土台がずれます。まず管理画面を開く。順番はそれだけです。

2つ目は、「入っている」と「使える」は別だということ。Google の Business Starter が象徴的です。プランに Gemini は載っていますが、ドキュメントやスプレッドシートでは対象外です。契約書の項目名だけを見て判断すると、現場では動きません。逆に、Standard 以上を契約しながら、その機能をほとんど使わないまま別のAIを買い足している場合もあります。

3つ目は、値段の差ではなく種類の差で選ぶということ。追加料金なしの Copilot Chat と有償のアプリ内 Copilot は、安い版と高い版ではありません。前者は外の情報を扱い、後者は社内のデータを扱います。私たちは業務にどのAIを使うかという選定の支援を行っており、料金はサービス料金のページで公開しています。手を付ける順番を決めかねている段階なら、無料相談でご一緒に棚卸しをさせてください。ご用意いただきたいのは、いま契約しているサービスの一覧と、直近1年に増えた契約の2つだけです。

まとめ

AIの契約は、いま増やしやすい支出のひとつです。同時に、すでに払っているものの中身がいちばん見えにくい支出でもあります。新しい見積を取る前に、請求書か管理画面で、プランの正式名称を読む。それだけで、二重に払う場面のうちいくつかは、その日のうちに消えます。

よくある質問

Q1. すでにMicrosoft 365を契約している場合、AIを使うために追加の契約は必要ですか?

目的によって変わります。Microsoftの日本語公式の比較ページには、対象のMicrosoft 365サブスクリプションをお持ちのすべてのMicrosoft Entra IDユーザーは、追加料金なしでCopilot Chatを利用できます、という脚注があります(2026年8月16日時点)。ウェブの情報をもとに調べたり文章を作ったりする用途なら、この範囲で足りる場合があります。一方、WordやExcel、Outlookの中で自社の業務データに基づいて動くCopilotは有償側の機能として説明されています。またBusiness StandardとBusiness Premiumは、同じページ上でMicrosoft 365 Copilot Businessが組み込まれたバンドル名称で販売されているため、新しく契約する場合は最初から含まれます。Business Basicとアプリ版のみのプランでは、アドオンとして別料金です。

Q2. Microsoft 365 Copilotの2,698円という価格表示は、そのまま契約できる金額ですか?

条件付きの価格です。Microsoftの公式ページには、この割引キャンペーンは2026年7月1日から2026年9月30日まで利用でき、年間契約が必要で、プロモーション価格は初年度にのみ適用されます、と脚注に書かれています(2026年8月16日時点)。通常価格は1ユーザーあたり月額3,148円(年払い・税抜)で、月間契約の場合は3,778円です。つまり2年目からは通常価格での請求になります。また、対象のビジネスプランを利用している既存のMicrosoft 365顧客のみが対象で、試用版のサブスクリプションでは利用できないとも書かれています。10人で2年分を見積もるときは、初年度と2年目を分けて計算してください。

Q3. Google WorkspaceのBusiness Starterでも、Geminiは使えますか?

一部だけ使えます。Google Workspaceの日本語料金ページの機能比較表では、Business StarterはGmailのGeminiとGoogle VidsのGeminiが利用できる一方、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライド、ドライブ、Google Meet、Chatの各Geminiは対象外と表示されています(2026年8月16日時点)。複雑なタスクに対応するGoogleの最も高性能なAIモデルも、Starterでは対象外です。資料作成や表計算でAIを使いたい場合は、Business Standard以上が実質的な入口になります。Gemini Notebookは全プランに掲載されていますが、Starterは基本的なアクセス、Standard以上はより広いアクセスと区別されています。

Q4. 社外のAIサービスを別に契約している場合、それは無駄になっているのでしょうか?

無駄と決めつける前に、用途が重なっているかどうかを1枚に書き出してください。材料は3つあります。1つ目は、いま契約しているグループウェアのプラン名です。プラン名にAIの製品名が入っていれば、その分はすでに支払っています。2つ目は、誰が何に使っているかです。全社で必要なのか特定の部署だけなのかで、必要な本数が変わります。3つ目は、扱うデータの種類です。社内の資料やメールを読ませたいのか、外部の情報を調べたいのかで必要な機能が変わります。重なりが見つかった場合に、はじめて解約や集約の検討に進めます。

参照元・出典

本記事は2026年8月16日に確認した各社の公開情報にもとづきます。対象は Microsoft と Google の日本語の公式ページのみで、まとめサイト・代理店・ニュース記事は使用していません。料金と提供条件は変更されるため、申し込み前に各リンク先の最新の記載をご確認ください。

一次ソース(Microsoft 公式・日本語)

一次ソース(Google 公式・日本語)

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