2026.09.12 · 17分で読める

Codexのクレジット管理|単価表の「500」の意味と、月の予算の決め方

Codexを契約すると、まず月々の料金が決まります。ところが使っているうちに、画面のどこかに「クレジット」という言葉が出てきて、それが何を指しているのか分からなくなることがあります。プランの値段と、クレジットという数字は、そもそも別の層の話です。

この記事では、公式ドキュメントに書かれている範囲で、クレジットが何を数えているのか、料金表によく出てくる「500」という数字が何を表すのか、そして月の予算をクレジットの消費量としてどう組み立てるかを整理します。従量課金という考え方そのものについては、従量課金の考え方で扱っているので、そちらに譲り、この記事ではCodex固有の運用に絞ります。

なお、そもそもCodexが自分の環境で動くかどうかは別の条件で決まります。手元のMacで動くかどうかはCodexは自分のMacで動くのかで確認できます。

先に、結論を3つ

1|費用は「席代」と「クレジット」の二層 プランの月額は席代です。含まれる利用の上限を超えた分は、クレジットで賄います。

2|料金表の数字はクレジット換算のトークン単価 円の金額ではありません。予算は円ではなく、クレジットの消費量で立てます。

3|購入価格は自分の契約の購入画面で確認 公式の記述は「プランや契約による」まで。具体的な金額はこの料金ページには書かれていません。

Codexの費用は「席代」と「クレジット」の二層

公式の料金ページには、まずプランごとの月額が並んでいます。公式の料金ページにある機能別の価格カードを整理すると、次のとおりです。

費用は「席代」と「クレジット」の二層 Codexの費用は2つの層でできている。プランの月額は席代で、含まれる利用の上限までをまかなう。上限に達すると、クレジットが超えた分をまかなう。クレジットの購入価格や割引はプランや契約によるとされ、料金ページには金額が載っていないことを示した図 Codexの費用は「席代」と「クレジット」の二層 プランの月額が席代。上限を超えた分をクレジットが賄う ① 席代(プランの月額) 毎月定額の部分(Free〜Enterprise。APIキーは従量) 含まれる利用の上限までは、これだけで足りる 上限に達すると次の層へ ② クレジット(超えた分を賄う) 残っているクレジットで、作業を続けられる 購入価格・割引はプランや契約による(料金ページに金額なし) Plus・Proは追加クレジットの購入で継続可 円ではなく、クレジットという数量で管理する

プラン 月額 備考
Free $0 軽い作業向け
Go $8 軽量なコーディング用途
Plus $20 GPT-5.6系(Sol・Terra・Luna)が使える
Pro $100〜 5xと20xの2段階(20xは$200/月)
Business $20/ユーザー 2名以上・年払い(月払いは$25)
Enterprise・Edu 問い合わせ 個別契約
APIキー API料金 従量課金。クラウド系機能は対象外

ここまでは席代の話です。ChatGPT WorkとCodexは利用を共有しており、ChatGPTの中でのWork利用も、Codexと同じ料金・クレジット・利用上限を使うと公式は明記しています。ChatGPTの画面でCodexの作業を頼んだからといって、別料金が発生するわけではありません。

各プランには、含まれる利用の上限があります。この上限の中でおさまっているうちは、席代だけで済みます。ところが上限を超えて使い続けたいとき、登場するのがクレジットです。Plus・Proのユーザーは、上限に達したあとに追加のクレジットを購入して、プランを上げずに作業を続けられると公式は書いています。Business・Edu・Enterpriseの、柔軟な料金体系(flexible pricing)の契約でも、追加のワークスペースクレジットを購入して継続できます。たとえるなら、月々の会費で使える範囲が決まっていて、それを超えた分は追加のクレジットで賄う、会員制サービスのようなものです。

ここで押さえておきたいのが、クレジットの購入価格そのものは、この料金ページには載っていないという点です。公式の記述は「クレジットの購入価格や適用される割引は、プランや契約によって異なる」までです。円換算や「1クレジットあたりいくら」といった数字は書かれていません。実際にいくら払うことになるかは、契約しているプランの購入画面(およびそこから案内されるヘルプセンターの記事)で確認する、という設計になっています。

単価表の「500」は何の数字か

Codexの料金ページには、モデルごとに「クレジット換算のトークン単価」という表があります。モデルが処理する100万トークンあたり、入力・キャッシュ(同じ内容を再利用して安く済ませる仕組み)された入力・出力のそれぞれで何クレジットを消費するかを示した表です。

クレジット換算のトークン単価(出力・4モデル) GPT-6 Astra、GPT-5.6 Sol、GPT-5.6 Terra、GPT-5.6 Lunaの、出力100万トークンあたりのクレジット消費量を並べた図。Astraが1250、Solが500、Terraが300、Lunaが30で、モデルが重くなるほど単価が上がることを示す。単価表の「500」はSolの出力単価であることを示した図 クレジット換算のトークン単価 出力・100万トークンあたり。モデルが重くなるほど単価も上がる ここが「500」 GPT-6 Astra 1,250 クレジット 入力 250 キャッシュ 25 GPT-5.6 Sol 500 クレジット 入力 100 キャッシュ 10 GPT-5.6 Terra 300 クレジット 入力 50 キャッシュ 5 GPT-5.6 Luna 30 クレジット 入力 5 キャッシュ 0.5 「500」はSolの出力単価 円の金額ではなく、クレジットという共通の単位

表の中に「500」という数字を見つけた人は多いはずです。これはGPT-5.6 Solというモデルの、出力100万トークンあたりのクレジット消費量です。主要モデルの単価を並べると、モデルが重くなるほど単価も上がっていくのが分かります。なお公式は、Solのこの単価を販促価格とし、少なくとも2026年11月21日までは適用されると注記しています。

モデル 入力 キャッシュ入力 出力
GPT-6 Astra 250 25 1,250
GPT-5.6 Sol 100 10 500
GPT-5.6 Terra 50 5 300
GPT-5.6 Luna 5 0.5 30
GPT-5.5 125 12.50 750
GPT-5.4 62.50 6.250 375
GPT-5.4 mini 18.75 1.875 113
GPT-Image-2(画像生成) 200 50 750
GPT-Image-2(テキスト生成) 125 31.25 250

単位:クレジット/100万トークン

Astraの出力単価が最も高く、Lunaが最も低い。たとえるなら、この単価表は商品ごとの為替レート表のようなもので、円そのものではなく、機能の重さをクレジットという共通通貨に換算して示しています。GPT-6 Astraがどこまでの環境で使えるかはGPT-6 Astraはどこで使えるのかで確認できます。

公式はさらに、GPT-5.6系のモデル全体について「1メッセージあたり平均5〜30クレジットを消費する」とも書いています。500という数字自体は出力トークンの単価であって、1回のやり取りで必ず500クレジットを消費するという意味ではありません。実際の消費は、入力・キャッシュされた入力・出力の組み合わせと、やり取りの長さで決まります。また、応答速度を上げるFast modeという設定を使うと、Astraの標準単価に2.5倍の掛け率がかかるとも明記されています。

クレジットとトークンの違い

ここまで「クレジット」と「トークン」を並べて使ってきましたが、公式ははっきりと2つを分けて定義しています。

トークンは、ChatGPTが読み書きする情報の小さな単位です。プロンプト、ファイル、チャット履歴、ツールの実行結果、そして応答のすべてがトークンを使います。クレジットは、クレジットベースのプランで対象となる利用の支払いに使う単位です。含まれる利用の上限に達したあとも、残っているクレジットがあれば作業を続けられます。

クレジットはカウンター、トークンは紙の枚数 クレジットはコピー機の使用カウンターのようなもので、トークンはそこに通す紙の枚数にあたる。プロンプト・ファイル・チャット履歴・ツールの結果・応答のすべてが紙(トークン)にあたり、紙を通すたびにカウンター(クレジット)が減る。紙の種類(モデル)によって1枚あたりの減り方が違うことを示した図 クレジットはカウンター、トークンは紙の枚数 紙を1枚通すごとに、カウンターが動く クレジットはカウンター 残りクレジットのイメージ 紙を通すたびに、目盛りが減る モデルによって、1枚の重みが違う 通す トークンは紙の枚数 プロンプト ファイル・資料 チャット履歴・ツール結果 ChatGPTの応答 すべてがトークンを使う 紙の種類で、減り方が違う

たとえるなら、クレジットはコピー機の使用カウンターのようなもので、トークンはそこに通した紙の枚数に相当します。紙を1枚通すごとにカウンターが動くように、トークンを消費するごとにクレジットが減っていきます。ただし紙の種類、つまりモデルの種類によって、1枚あたりカウンターが進む量が違う。それが前の章で見た単価表です。

言い換えると、トークンは「何をどれだけ読み書きしたか」の実測値で、クレジットは「それにいくら払うか」を示す会計上の単位です。プロンプトが長くても、単価の低いモデルを使えば消費するクレジットは抑えられますし、逆に短いやり取りでも重いモデルを使えばクレジットは早く減ります。公式が「プロンプトの長さだけでは信頼できる見積もりにならない」と注意しているのは、この2つが単純な比例関係にないからです。

消費が増える6つの要因

公式は、利用が増える要因として、モデルの選択、文脈(コンテキスト)の量、推論の深さ、ツールの使用、検索・参照(リトリーバル)、そしてキャッシュの有無の6つを挙げています。プロンプトの長さだけでなく、これらすべてが組み合わさって消費が決まる、という説明です。

消費が増える6つの要因 公式が挙げる、利用が増える6つの要因。モデルの選択、文脈の量、推論の深さ、ツールの使用、検索・参照、キャッシュの有無。とくに画像生成は3〜5倍、Fast modeは2.5倍消費が増えることを示した図 消費が増える6つの要因 公式が挙げる6つ。プロンプトの長さだけでは決まらない モデルの選択 重いモデルほど単価が上がる 文脈の量 渡す資料やMCPの数で増える 推論の深さ 深く考えるほど消費が増える ツールの使用 検索や実行のたびに加算 検索・参照 資料を探しにいく処理も対象 キャッシュの有無 同じ内容の再利用で単価が下がる 画像生成3〜5倍、Fast mode 2.5倍(Astra) とくに消費に効く2つの設定

この6つのうち、業務で特に影響が大きいものを3つ、具体的に見ておきます。

ひとつめは画像の生成です。公式は「画像の生成は、平均して含まれる利用上限を3〜5倍速く消費する」と明記しています。Codexで画像を作る手順を固定したImageGenのスキルを使う場面では、この倍率をあらかじめ織り込んでおく必要があります。

ふたつめは応答速度の設定です。先ほど触れたFast modeのように、速度を上げる設定はクレジットの消費率そのものを引き上げます。急ぎでない作業まで速度優先の設定にしていると、気づかないうちに消費のペースが速まります。

みっつめは接続するツールの数です。公式は「MCPサーバーを追加するたびに、メッセージに渡る文脈が増え、上限をより多く使う」と書いています。MCPという仕組みそのものはMCPとは?AIとツールをつなぐ新標準で説明していますが、便利だからといって多数のMCPサーバーをつなぎっぱなしにしておくと、毎回のやり取りにその分の文脈が上乗せされ続けます。

1〜2週間の試用からクレジットの月予算を出す

クレジットの単価と、消費が増える要因が分かったところで、実際に月の予算をどう組み立てるかに移ります。公式が案内している確認場所は2つです。ひとつはブラウザの利用状況ダッシュボードで、もうひとつはCodex CLI(黒い画面に文字で指示する版)のセッション中に使える「/status」というコマンドです。作業を止めずに、その場で残りの上限を確認できます。

1〜2週間の試用から、月の予算を出す5段階 確認場所を決める、週の消費を見る、月換算する、クレジットで予算を立てる、円換算は購入画面で確認するという5段階の手順を示した図。円ではなくクレジットの量で予算を立てることを強調している 1〜2週間の試用から、月の予算を出す5段階 円ではなく、クレジットの量で予算を立てる 確認場所を決める ダッシュボードか、CLIの「/status」で残りを見る 週の消費を見る 1〜2週間、普段どおり使って記録する 月換算する 週の消費を4倍などして、月の見込みを出す クレジットで予算を立てる 円ではなく、クレジットという数量を基準にする 円換算は購入画面で確認する 実際の金額は、自分の契約の購入画面で確認する

予算の組み立て方は、次の5段階です。

①確認場所を決める ブラウザの利用状況ダッシュボード、またはCodex CLIなら「/status」で残りを確認する。

②週の消費を見る 1〜2週間、普段どおりに使い、1週間あたりのクレジット消費量を記録する。

③月換算する 週の消費に4を掛けるなどして、月あたりの見込み消費量を出す。

④クレジットで予算を立てる その見込み量を「今月使えるクレジットの目安」として設定する。基準は円ではなく、クレジットという数量そのもの。

⑤円換算は購入画面で確認する 実際にいくら払うことになるかは、契約しているプランの購入画面で確認する。料金ページには金額の記載がない。

公式は「ダッシュボードは1〜2週間に一度確認し、ペースと残りの容量を把握する」ことも勧めています。言い換えると、予算は一度立てて終わりではなく、定期的に実績と照らし合わせる前提の仕組みです。

実際にどのくらいの作業量になるかの目安として、公式は5時間あたりの利用目安も示しています。あくまで固定の上限ではなく、目安の数値だと公式は注記しています。

モデル Plus Pro 5x Pro 20x Business(標準) APIキー
GPT-6 Astra 5-45 25-225 100-900 5-45 従量
GPT-5.6 Sol 10-100 50-500 200-2,000 10-100 従量
GPT-5.6 Terra 25-200 125-1,000 500-4,000 25-200 従量
GPT-5.6 Luna 250-2,000 1,250-10,000 5,000-40,000 250-2,000 従量

単位:5時間あたりの送信件数の目安(固定の上限ではない)

この表からも分かるとおり、同じ5時間でも、選ぶモデルによって目安の幅は大きく変わります。軽い作業を軽いモデルに任せれば、同じクレジットでより多くのやり取りができる、という関係です。なお公式は、手元の端末からのメッセージとクラウド上のチャットが同じ利用枠を共有すること、週単位の上限が別に適用される場合があることも注記しています。

人数が増えたら、上限をどう重ねるか

ここからは、法人向けの仕組みです。対象となる契約のもとでは、Workの利用はワークスペース(会社で共有するChatGPTの利用範囲)全体の共有クレジットプールから引かれると公式は説明しています。この仕組みの対象はクレジットベースの契約で、公式は「対象となる契約(eligible credit-based agreements)」と表現しています。自社のプランで使えるかどうかは、管理画面(Billing)に上限やアラートの設定項目があるかで確認してください。個人ごとに別会計になるのではなく、まずチーム全体でひとつの財布を共有する形です。

そのうえで、上限は次の3段階で重ねて設定できます。以下は公式の記述を、この記事の側で整理し直したものです。

上限は3段階で重なる(個人上書きが最優先) ワークスペース既定、グループ上限、個人上書きの3段階が入れ子になっており、個人上書きが最も優先されることを示す。あわせて超過上限をゼロにすれば超過に入らないこと、使用状況アラートは通知するだけで支出を止めないことを示した図。公式の記述をもとにこの記事で整理したもの 上限は3段階で重なる 個人上書きが最も優先される(公式の記述をもとに整理) ① ワークスペース既定 全社員に適用される基本の上限 ② グループ上限 部署・チーム単位。複数所属なら最も高い上限 ③ 個人上書き 特定の1人に設定。最も優先される (グループ・既定より強い) 超過上限: ゼロで止められる 「上限なし」は ゼロ支出の意味ではない アラート: 通知するだけ 支出そのものは止めない

設定 効くレベル できること
ワークスペース既定 全体 何も設定していない社員に適用される基本の上限
グループ上限 部署・チーム単位 既定より厳しく、または緩く設定。複数所属なら最も高い上限が適用
個人上書き 特定の1人 グループ・ワークスペースの設定より優先される
超過上限 ワークスペース全体 ゼロにすれば超過に入らない。「上限なし」はゼロ支出の意味ではない
使用状況アラート 設定した通知先 通知するだけで、支出は止めない

いわば、ワークスペース全体の既定は水道の元栓のようなもので、部署ごとのグループ上限はその先の中間の栓、個人上書きは各人の蛇口の設定にあたる、という三段構えです。ある人が複数のグループに属している場合は最も高い上限が適用され、上限を設定していないグループがあっても、それが即座にゼロクレジットの上限になるわけではありません。

人数が増えるほど、この3段階の使い分けが効いてきます。5人程度の小さなチームなら、個人ごとの消費の差を把握しやすいので、個人上書きだけで足りることもあります。10人、30人と増えるにつれて、部署やプロジェクトの単位でグループ上限を先に引いておき、そのうえで個人上書きを例外として使う、という順序のほうが管理しやすくなります。ここは人数によって最適な組み方が変わる部分で、公式が具体的な人数別の設定値を示しているわけではありません。

出発点の一例(この記事の提案です)

5人: ワークスペース既定だけを置き、必要な1人にだけ個人上書きを足す。

10人: 部署ごとにグループ上限を2つ置き、個人上書きは例外扱いにする。

30人: グループ上限を主軸にし、超過上限はゼロから始めて必要に応じて上げる。

あわせて重要なのが、コミット済みのクレジット(契約で前もって確保しているクレジット)を消費することと、新しく請求が発生することは別だという公式の説明です。契約の枠内で使っている間は請求が動きませんが、枠を超えると、契約によっては超過分に契約上のレートで課金される場合があります。法人向けの利用とコストのページには、この超過の扱いが、個人ごとの利用上限とは別の管理項目として説明されています。

上限・アラートの決め方と、測る順番

チームで運用するときに、まず決めておきたいのが超過上限とアラートの組み合わせです。

対応している環境では、超過上限をゼロにすると、ワークスペースは超過に進みません。一方で「上限なし」は、支出ゼロという意味ではありません。

ここを混同すると、超過を止めたつもりが、実際には止まっていないという事態になります。使用状況アラートについても、公式ははっきり書いています。

利用状況のアラートは、通知するだけで、支出を止めるものではありません。

アラートを設定したから安心、ではなく、アラートは気づくためのものであって、止めるためのものではない、という前提で組む必要があります。止めたいなら超過上限側で設定する、という役割分担です。

利用上限を扱う公式ページは、これらの上限の仕組みが万能ではないことも明記しています。

これらの制御は、Codex全体を覆う統一的な上限の仕組みではなく、OpenAI APIプラットフォームの請求は管理しません。

ChatGPTの契約とAPIキーの契約は、別物として扱う必要があります。実績を測る順番についても、公式は手順を示しています。対象となるグループと比較する期間を先に決める→ChatとWorkの合計消費を見る→残クレジットと単価を確認する→超過に届くかどうかを判定する→実績で更新する、という流れです。公式はこの手順のあとに「利用量だけでは、削減効果の証明にはならない」とも付け加えています。

参考として、公式は導入見積もりの例をひとつ挙げています。Enterprise 契約の顧客で Work を初めて導入したマーケティング部門を対象に観測した、導入期の1週間分の利用を年換算したクレジット消費額で、中央値が1人あたり年間約53ドル、平均が約309ドル、90パーセンタイル(100人いれば上から10番目にあたる値)で約1,154ドルという数字です。これはあくまで、公式が挙げている大企業のマーケティング部門の観測値・目安であり、中小企業の相場として使える数字ではありません。公式自身も、これらは保証された削減額でも、固定の1人あたり価格でも、自動で発生する請求でもないと注意しています。自社の数字を出すには、前段の測る順番を、自社のグループと期間で実際に回す必要があります。

節約の6項目と、やってはいけない節約

消費を抑えるための具体策として、公式は6つの項目を挙げています。

①プロンプトの大きさを絞る

②渡す資料を絞る 対象と期間を絞り込む

③出力の量を必要な分に合わせる

④AGENTS.md(Codexに毎回読ませる指示書のファイル)を小さくする

⑤MCPサーバーを減らす 使わないときは無効化する

⑥定型作業は軽いモデルに切り替える GPT-5.6のTerraやLunaなど

このうち⑤と⑥は、前の章で見た消費要因の裏返しです。文脈を増やすMCPサーバーを減らせば消費は落ち着き、単価の低いモデルに切り替えれば、同じクレジットでより多くの作業をこなせます。

ここから先は、公式の記述ではなく、この記事の判断です。節約のために、品質が落ちては困る仕事まで軽いモデルに落とすのは避けるべきです。定型的な要約や下書きのような、品質のばらつきが許容できる作業を軽いモデルに移すのは合理的ですが、判断の精度が問われる仕事まで同じ基準で切り替えると、浮いたクレジット以上のやり直しコストが発生しかねません。定型作業を軽いモデルに切り替えるのは、いわば近距離の移動を徒歩や自転車に切り替えるようなもので、遠出まで徒歩にする話ではありません。

私たちの見解|クレジットは共通のものさし

公式のページを読み直して、いちばん印象に残ったのは、クレジットという仕組みが、円の話をあえて後ろに下げていることでした。単価表も、利用目安も、消費が増える要因も、すべてクレジットという共通の単位で説明されていて、クレジット1単位がいくらかという金額は、この説明の中には出てきません。金額を知りたければ、自分の契約の購入画面を見に行くことになる。これは不親切なのではなく、プランや契約によって条件が違う以上、共通で語れるのはクレジットの量までだ、という設計だと受け止めています。

もうひとつ印象的だったのは、アラートが支出を止めない、という一文です。多くの人は「上限を通知してくれる仕組み」を「止めてくれる仕組み」と混同しがちです。公式がここをわざわざ書き分けているのは、通知と制御は別の設定だと知らずに運用しているチームが、実際に多いからだと考えられます。

予算を決める作業に近道はありません。1〜2週間使ってみて、週の消費を数え、月に換算する。この地味な手順が、結局いちばん確実です。金額ではなくクレジットの量で予算を立てておけば、あとから契約プランが変わっても、物差しそのものは使い回せます。

まとめ

1|費用は「席代」と「クレジット」の二層 プランの月額を超えた分は、クレジットで賄う仕組みです。

2|「500」はクレジット換算のトークン単価 GPT-5.6 Solの出力100万トークンあたりの消費量で、円の金額ではありません。

3|クレジットとトークンは別の単位 トークンは読み書きの実測値、クレジットはそれに払う会計上の単位です。

4|消費が増える要因は6つ モデル・文脈・推論・ツール・検索・キャッシュ。画像生成やFast modeは特に影響が大きくなります。

5|予算はクレジットの量で立てる 1〜2週間の消費を月換算し、円換算は自分の契約の購入画面で確認します。

プランの月額を見て終わりにせず、クレジットという単位まで一歩踏み込んで見ておくと、上限に近づいたときに慌てずに済みます。まずは1〜2週間、ダッシュボードか「/status」を確認しながら使ってみることが、いちばん確実な出発点です。

よくある質問

「クレジット」とは何ですか。トークンとどう違うのですか。

公式の説明では、クレジットは、クレジットベースのプランで対象となる利用の支払いに使う単位です。含まれる利用の上限に達したあとも、残っているクレジットがあれば作業を続けられます。クレジットの購入価格や割引はプランや契約によって異なると明記されています。一方トークンは、ChatGPTが読み書きする情報の小さな単位で、プロンプトやファイル、チャット履歴、ツールの結果、応答のすべてがトークンを使います。たとえるなら、クレジットはコピー機の使用カウンターのようなもので、トークンはそこに通した紙の枚数に相当します。カウンターが減る量は、通した紙の枚数と、機種ごとの単価によって決まります。

料金表にある「500」という数字は、何を表していますか。

公式が示すクレジット換算のトークン単価表の中で、GPT-5.6 Solというモデルの、出力100万トークンあたりのクレジット消費量が500です。同じ表でGPT-6 Astraの出力は1,250、GPT-5.6 Terraは300、GPT-5.6 Lunaは30となっており、モデルが重くなるほど単価も上がります。公式はさらに、GPT-5.6系のモデル全体で1メッセージあたり平均5〜30クレジットを消費するとも書いています。500という数字は円の金額ではなく、機能の重さをクレジットという共通の単位に換算した値です。

月の予算はどうやって決めればよいですか。

公式は、利用状況ダッシュボードや、Codex CLIのセッション中に使える「/status」というコマンドで、現在の上限や残りを確認できるとしています。まず1〜2週間、通常どおり使ってみて、1週間あたりのクレジット消費を確認し、それを月換算します。その数量を今月使えるクレジットの目安として予算にする、という組み方です。円換算や実際の購入価格は、自分が契約しているプランの購入画面や、公式ヘルプセンターのクレジットの案内で確認します。公式の記述は「プランや契約による」までで、具体的な金額は書かれていません。

チームで使うとき、上限はどう置けばよいですか。

法人向けの仕組みでは、対象となる契約のもとで、ワークスペース全体の共有クレジットプールから利用が引かれます。上限は、ワークスペース全体の既定、部署やチームなどのグループ単位、特定の1人への個人上書きという重なりで設定でき、個人上書きが最も優先されます。あわせて、超過を許すかどうかの上限も別に設定でき、これをゼロにすればワークスペースは超過に入りません。ただし使用状況のアラートは、あくまで通知するだけで、支出そのものを止めるものではないと公式は明記しています。チームの人数にかかわらず、まずこの3段階と、超過上限・アラートの組み合わせを決めることが出発点になります。

参照元・出典

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